中井宅(お店の2階、部屋一つと洗面、浴室、トイレだけ)
孝と恵の会話
「すっかり客足が遠のいてしまったなぁ、恵…」
「そうね、このままじゃ、家賃すら払えないよぅ」
「どうしたんだろ、坂井さん。来られなくなってから、それに合わせて他のお客の足も遠のいてしまった感じだな…あのビール倒した時、不機嫌には見えなかったんだけどなぁ」
「えぇ…」
「知らない土地に来て開店したから、坂井さんのような人、頼りになったんだよなぁ。安くお店も借りれたし、この地域の住民たちに対して影響力強い人だから」
「そうね…」
「坂井さんって資産家だって知ってた?」
「えっ、知らない…」
「この辺りでは知らない人はいないんだって。広大な土地持ちだし、賃貸マンションや貸しビル、10棟以上持っているんだって」
「そうなの…すごいね」
「助けてくれないかなぁ…」
「なに…弱気なこと言ってないで…料理で勝負よ、厳しい時を乗り越えていかないとね」
恵は、坂井の、「水商売なめるなよ!」と言う言葉が頭から離れない。
そして…あの夜の太ももへの愛撫、ショーツ越しにクリトリスを的確に当てられ摘まれ、ショーツを汚すほど愛汁が溢れた事が頭から離れない。
孝と恵は忙しくてしばらくセックスレスになっている。
孝は、朝5時には市場に行って食材を仕入れる。
料理の支度をし、夜に備えて昼の12時から昼寝をする。
恵は、朝8時に起床し、16時に店に出勤して、お通しを作る。
17時30分に開店する。アルバイトは17時30分から21時までである。
お店は23時に閉店する。
このような日常の繰り返しである。
セックスレスにもなってしまう。
忙しくても客が入れば気も晴れるが、今はどん底である。
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