町内会の食事会は、奥の個室で盛り上がった。
料理が美味しいし、毎回メニューが変わるので、飽きないと参加者たちは絶賛した。
恵とアルバイト女性がテキパキと、カウンターと個室へ料理を運び、素晴らしい働きをした。
お客さん達から、女将さん、良く動くし気がつくよな、素晴らしいよ、と口々に言われた。
坂井を気にする事なく、普段通りの仕事をする恵に、素晴らしいと坂井も感動し、情事と仕事を割り切れる女だと確認した。
21時を回り、そろそろ、お開きの時間になった。
恵は、個室のお客さんの靴を揃えている。
「いや~女将さんは良く気がつくね~」
「女将さんがいるからこの店、流行っているんだ」
「大将に聞こえるぞ!料理が美味しいしから…が先だろ!」
「坂井さん、町内会の食事会、ずっとここで!決定!決定!」
「いい店だよ、みんなに教えてあげよう」
酔っ払いが、個々に大将に聞かせる様に、大声を上げて次々と出て行く。
「ありがとうございました!また、ご贔屓に!」
孝が、調理場から出てきてお送りする。
「ありがとうございました!」
恵も外に出て、頭を下げてお送りした。
皆んなが退出して店に戻る。
店のカウンターに、坂井が座っている。
「坂井さん、ありがとうございました!皆んな楽しんでもらった様です」
「ああ、よかったな、美味しい料理だ。今後も使わせてもらうよ」
「ありがとうございます!ビールでも飲んで行かれませんか?」
「そうだな、じゃあ、生をお願い、大将も、恵さんも3っだ」
「ありがとうございます!恵!生ビール、坂井さんと恵の2つカウンターにお持ちして!」
「は~い!」
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