見るからに古いビル・・・。
各フロアも色んな業種がひしめく様に入居していた。
最上階はカズくんの事務所以外は空に成っていた・・・。
外から中の状態を伺い知る事は出来そうになかった・・・。
もう、入って見るしか選択肢ない・・・。
外の雑踏が嘘の様に静かな気配・・・。
ドアの前でそっと息を整えます・・・じゃあ行くわよ・・・・。
ドアを開けようとした時に不意にドアーが開いて誰か男の人が出てきました。
じゃあ、失敬するよ・・・また、上玉が手に入れば連絡頼むぜ・・・。
その柄の悪そうな男の人は私とすれ違いに出ていきます。
すれ違いざまに私のつま先から顔を舐めるように見て、ふっと少しにやけた顔に見えました。
(何なんだろう・・・あんな人もくるんだ・・・)
いやあ、はるなちゃんよく来てくれたね・・・
カズくんは何事も無かった様に私を招き入れます。
カズくん・・・お言葉に甘えて見せてもらいに来たよ・・・。
ああ、気にせずにちょっとでも手伝ってくれたら助かるよ・・・。
(久々に見たけど・・・捨てたもんじゃねえな・・・、あのままあんな店じゃっ腐っちまう・・・。
掘り出しもんだ・・・)
今日は何時まで大丈夫かな?・・・今から少し取引先に打合せに行かなきゃならねえんだ・・・・。
帰りまで留守番しえもらえると助かるんだが・・・。
なあに、はるなちゃんの大丈夫な時間で良いよ・・・。
そう言われると、覗くだけって約束は反故にされてされてしまう。
夫には早く帰る様に言っている。
主人に連絡すれば大丈夫だと思います・・・何時までならいいのかな・・・
ああ、無理言っちゃってごめん・・・じゃあお言葉に甘えて7時位までなら良いかなあ・・・
それと良かったらめし位は奢らせてもらうよ・・・。
あいつにもよろしく言っておいてくれよ・・・じゃあ、行ってくる。
それと、給茶室の整理とこれからこのデスクがはるなちゃんのだから使いやすいようにしておいて。
それと・・・俺のデスクは触らないで欲しいんだ・・・散らかってるからね・・・。
それ以上の説明も無く事務所を出ていった・・・。
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