唐揚定食一丁!!
・・・はい、唐揚定食一丁ね・・・
夫婦で営む街の小さな食堂に元気な声がこだましていた。
そんな繁盛も今回のコロナ不況でこんな小さな食堂は閑古鳥が鳴いている。
店を出してまだ3年、やっと軌道に乗って来た矢先のこの不況・・・。
何とか夫婦二人で盛り上げてきたこの店も先行きが見通せなくなり
閉めるしかないと思っていた・・・。
そんな時にある男が店に来た。
やあ、はるなちゃんじゃないか?
ああ、そうだはるなちゃんだよね・・・。
いら・・・いらっしゃいませ・・・?
どちら様でしょうか?・・・
俺だよ・・・俺、同じ高校行ってたカズヒロだよ。
あら、カズくんじゃない・・・久しぶりね、元気だった?
あなた・・・あなた・・・カズくんだよ・・・。
店の厨房から夫の声がする。
カズだって・・・おお、久しぶりじゃないか。
お客も少ない事も有り夫は厨房から出てきてコック帽を脱ぎ、私も三角巾を脱いでお茶を入れて
話し出します。
カズくんは夫と付合い出す前に告白された幼馴染・・・。
夫と私を巡って張りあった人でした。
今と成っては遠い昔の事、三人で過ごした高校時代を懐かしんでお話していました。
そんな間にもほとんどお客さんは来ない・・・。
カズくんは人材派遣の会社を経営しているとの事、今日は偶然この前を通ったら私に気付いて店に入ったそうだ。
会社が軌道に乗り人材を求めている事を話しだします。
お前ら店、大丈夫なのか?・・・。
客足がさっぱりの様だけど、今の時期は大変だな・・・。
そうなんだよ、このままじゃ店、続けられない・・・。
今も廃業するかどうするか考えているところだったんだよ・・・。
実際、俺一人でも賄えるから、はるなはパートにでも出そうかと思ってたんだ・・・。
そうなのか・・・じゃあ、俺のところに来てくれないかな?・・・
今なあ人手が足らないんだよ・・・時間はこの店が空いてる時間で良いからさあ・・・。
給料は弾むからどうかなあ・・・頼むよ・・・。
渡りに船だな・・・こっちも助かるよ・・・。
良かったら使ってやってくれよ・・・。
私に関係なく話は進む・・・。
夫はカズくんが私に告白した事は知らない・・・。
私もマンネリした夫婦関係と生活資金の不足を感じていた。
カズくん・・・どんなお仕事なの?・・・
今迄ホール接待だったら大丈夫だけど・・・。
事務関係はやった事無いし・・・・。
ああ、はるなちゃん簡単な仕事だよ・・・。
俺の会社の事務を最初はやって、慣れてから他の会社に派遣社員として行ってもらうんだ。
それに、時間はこっちの店を優先してもらって良いから・・・。
まるで高校生に戻って三人は話した。
カズヒロの計画をこの時は誰も知る事は無かった。
カズヒロの人材派遣は風俗であり、はるなを寝取り身体を売らせ、自分を捨てたはるなにリベンジする事。
はるなと夫を地獄に落したい気持ちでした。
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