島田: 帰るのか?
加世: はぃ...でも...もう帰ってもあの家に居れるかどうか...
島田: 何と?家を出されると?
加世: 遅かれ早かれ...
島田: 行くところはあるのか?
加世: ありません...
島田: ...わかった!とりあえずココの女将に言っておく!加世が急に来たら部屋を取るようにと!な!心配するでない!
加世: そんな...
島田: ココの女将とは古い付き合いだ!気に病むことはない!家を追われたらココに来るといい!
加世: ...はぃ...
島田: ではいい時間だ!出るとしよう!
家に帰ると三村に島田との密会が徳平の報告でバレていた。
コトの内容を説明した。
新之丞: 妻を寝取った男のコネでたかだか30石を喜んでいたオレは犬畜生にも劣るな...離縁する!出ていけ!
加世: わかりました...徳平!旦那様を頼みますね...
突然の土砂降りの雨の中三村の家を後にした...
三村の家が見えなくなるまで走った。
自分の行いを心底悔いた...
気が付いたら茶屋の前にいた。
暖簾を潜ると女将がいた...
女将: あら!?ビショビショじゃないですか!お部屋にどうぞ!着替えも用意致しますね!
先程まで島田と躰を重ねた部屋だった。
女将: お着替えを...お食事はいかがなさいますか?
加世: 結構です...
女将: わかりました、御用の際には何なりと...
雨は止み着替え1人眠れぬ夜を過ごした。
翌日の昼に島田が来た。
島田: 何も心配はない!私が家も探してやるから!安心しなさい!
そう言うと何もせず帰っていった。
それから島田は1日に1回必ず顔を出して
加世を抱いた。
加世も島田の求めることは何でもした。
そんな日々が6日経った頃...
夕方島田が現れた!
島田: 明日、三村と会うよ!
加世: え?
島田: 果し合いだそうだ。
加世: 果し合い?御主人様と?
島田: そうだ!三村が使用人を使って言うてきた!
加世: そんな...
島田: 目が見えないといって侮るなと...困った者だ...私が目の見えぬ者を切ったところで自慢にもならん。
加世: お...おやめください!果し合いなど...
島田: 私だってやめたいが...三村は本気だからのぉ...
加世: 御主人様が勝つに決まっております!
島田: だがのぉ...三村が盲目と言えど武士同士の話だ...行かぬ訳にはなぁ...
加世: そ...そんな...
島田: まぁ少しお灸を据えてやらんといかんな!
加世: お灸を?
島田: 私に向かってこのような無礼を働いた罪は償わせねばなるまい!
加世: それでは?
島田: うむ...命を取るようなことはせん!
加世: ぁぁ...ありがとうございます...
島田: 心配はいらぬ。
加世: どこで果し合いを?
島田: お主はココでジッとしておれ!よいな!
加世: ...
島田: 大丈夫だ!私を信じよ!
加世: はぃ...
島田: そんなことより...ほれ!
着物をめくりふんどしを見せた!
加世は黙って近寄りふんどしを撫で舌を這わせた!
横から手を入れて取り出す!
レロ...レロン...
ハァンム...ジュポ...ジュポ...レロ...ジュポ...
この数日で加世はすっかり島田の性処理道具に成り果てていた...
島田の...御主人様の望むことは何でもする。
それが自分の生きる唯一の方法と心に決め御主人様に捧げた。
唯一の捧げ物である自らの躰を。
加世: ンアッアッアッァァ...御主人様ぁぁ...奥にぃぃ...
もう何度御主人様の精液を受け止めたことか...
翌日の夕方
島田が来ない...何かあったのか...
夜になっても島田は現れなかった。
加世は気になり三村の家に行った。
三村が無事かどうか...
屋敷を覗く...
徳平が忙しそうにいていた。
加世: 徳平!徳平!
徳平: ごっ御新造様!どうなさったの?
加世: 今日、旦那様は島田様との果し合いへ行ったのか?
徳平: 何でそれを?
加世: 旦那様はご無事なの?
徳平: えぇ!無傷です!
加世: 果し合いをせずに済んだのか?
徳平: いいえ!御新造様!あの憎き島田様を旦那様は見事にお切りになった!それは見事でした!
加世: え?ごしゅ...島田様を?旦那様が?
徳平: はい!でも命を取るまではいってないからなぁ...
加世: 島田様は生きておるのか?
徳平: だいぶ深傷だけど死んではおらんと思います。
加世: そうか...わかった...
徳平: 御新造様は今どこに?
加世: ...
徳平: まさか...あの茶屋に?
加世: 私は大丈夫です...
徳平: 御新造様ぁ良ければメシだけでも作りにきてくれねぇかなぁ...
加世: 食事?
徳平: どーも旦那様はオレのメシは不味い不味いって言うて...オレが旦那様に飯炊女を雇うのをお願いしてみっから!ね!
加世: でも...
徳平: 納屋に寝れるとこも用意しておくから!蚊帳もあるから!ね!
加世: 徳平...ありがとう...では荷物を持ってくるのでお願い!
徳平: わかった!
新之丞: 徳平!徳平!?
加世: いって!
徳平: はい!...はいよ!旦那様!どうなすった?
こうして加世は三村の家に飯炊女として戻り
数日後
新之丞: よく戻って来てくれたな!加世!
加世: あなたぁ!
2人は復縁した。
その後、新之丞は夢であった剣術道場を開くべく準備を始め夫婦慎ましく暮らしていく...
島田は城で果し合いの相手を問い詰められたが言わずに腹を切って自害したのだった。
2ヶ月後
加世: 先生...どうですか?
弦斎: 月のモノもなく吐き気がするとなると間違いなく懐妊であろうなぁ!
加世: そ...そうですか...
弦斎: 何か?
加世: 先生...どうか...懐妊の時期が3ヶ月前だと夫に言って頂けないでしょうか?
弦斎: 3ヶ月?...それは...
加世: お願いです...理由はお聞きにならないでください...お礼はもちろん致します...
弦斎: うーん...構わんが...御新造!?...
加世: イヤッ!先生!!??
2019年
妻: なにーこの段ボール?
彼女: ウチのお婆ちゃんが送ってきてくれたんです!野菜とか!お味噌とか!
妻: へー!美味しそう!お婆ちゃんどこにいるの?
彼女: 東北です!東北で学校の先生してたんです!
妻: 先生?あれ?お父さんも先生じゃなかった?
彼女: はい!ウチは教師の家系なんです!
妻: へー!凄いね!
彼女: 明治の初めにお婆ちゃんのお爺ちゃんが剣術と学問を一緒に教え出したのが始まりなんだそうで!
妻: 明治!?
加世: はい!お婆ちゃんのお爺ちゃんは目が見えなかったみたいなんですが教育に熱心で!
妻: ふーん!それで代々先生なんだぁ!
彼女: 私はなれませんでしたけどね!でも妹が今年から都内の高校の先生になったんです!
妻: え?妹いたの?
加世: はい!あ...でも内緒です!
妻: あぁ!OK!手出しかねないもんね!
彼女: はい!!
都内の某駅
まもなく発車いたしまーす!閉まるドアにご注意ください!
凛: ...もう...満員電車むりぃ...ホント嫌...せっかくお婆ちゃんの野菜で元気出たのにぃ...ンッ?
お尻に誰かの手が当たった!?
...気のせいか?
ンッ!ぇ?
お尻を間違いなくさわられている...
凛: ...なに?...こ...これって...ンッ!ンァッ!!...
車内アナウンス: 只今、踏切の停車ボタンが押されました、確認中の為しばらく停車致します...お急ぎのお客様には大変ご迷惑を...
凛: ンッ!...ャ...ンン...ハァハァ...ンン...
武士の一分 ~加世の憂鬱~ 終わり
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