第5話 それぞれの思惑②
待ち合わせ場所へ向かう車の中で、木崎は今日の事について考えていました。
元々木崎は寝取るなら貸出が希望。
旦那の前で寝取る事に興奮はしない男で、むしろ第3者が居ると集中できず、思う様な結果が残せないタイプでした。
古田夫婦とは、じんからのコンタクトで関係が始まりました。
しかしじんの嗜好は【目の前での寝取られ】
自分の嗜好とは噛み合わない。
それでもせっかく巡って来たチャンス。
性感マッサージを依頼してくる女とは真逆の【男慣れしていない未開発の身体を持つ熟女】であるまいが、自分の手の中でどう反応するか、どう変わって行くかを試してみたいと思っていました。
数回旦那の前でプレイを重ね、旦那がより強い刺激を欲した所で【貸出】の提案。
それが当初の思惑だったんです。
しかし…………事態は急転。
まさか旦那の前でするより先に、まいと2人だけで会う事になるとは思ってもいませんでした。
このチャンスをどう生かすか??
それはこれからの行動次第です。
まいという女は旦那以外の男に興味がない、そういう行為をする事に対して嫌悪感を持っているのは承知しています。
しかしこれまでに2回、まいは自分にあられもない姿を晒し、自分のする事にもされるがままでいた事を思い返していました。
【あの女にはかなりのM性が隠されている】
木崎はまいに潜むMの部分を効率的に突いて行こうと決めました。
その為にはある程度の時間が必要。
そこで木崎は古田夫婦に嘘を付きました。
【仕事の都合上、会ってるの居られる時間は2時間弱】
これは2人の抵抗を無くす為の方便だったのです。
本当は昼以降の仕事は全てキャンセル。
つまりまいが帰宅しないといけない午後6時まで、約5時間という時間を持っていたんです。
もちろん、まいの抵抗に遇う事は予想しています。
本当に抵抗されれば、そこは素直に引き下がり、またじんが御膳立てしてくれるのを待つだけです。
しかしまいの抵抗を乗り越えられたら?
それは木崎にとって願ってもないチャンス。
今日1日で一気に畳み掛けるつもりでいました。
妻が男と2人だけで会う事にただ興奮しているじん。
いけない事と分かっていながら、旦那の為に男と会う決意をしたまい。
そしてその2人を手玉にとって、以後の関係を自分優位に進めていこうと企む木崎。
それぞれの思惑が奇妙に交錯していきました。
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