第4話 それぞれの思惑①
当日になりやっと決まった逢瀬。
じんはここからの段取りを2人で話し合ってもらい、決まったら報告を受ける形を取りました。
今までのプレイ全てがじん主導。
初めてまいが直接やり取りし、能動的に行動する事になったんです。
昼前に2人から報告がありました。
しかしそれは当初の思惑とは違う内容でした。
昼過ぎに待ち合わせし、木崎の車でドライブがてら大きな公園へ。
人気の無い駐車場でしばらく話した後、待ち合わせ場所まで戻って解散。
木崎の仕事の都合上、会って解散までは2時間弱しかないという事でした。
カフェにしなかった理由は木崎から教えられました。
まいは『旦那以外とカフェで会ってるのを誰かに見られたらどうしよう?』と不安に思ってるようでした。
そこで待ち合わせ場所を2人の中間地点にある家電量販店にし、その後もっと人気の無い公園に移動するという事になったようです。
この報告に、じんは戸惑いました。
『誰かに見られたらどうしよう』というまいの気持ちは理解出来ますが、人目につかない場所、そして車の中という密室。
『何か起きてしまうんじゃないか?』という不安を抱かずにはいられません。
しかしここで難色を示し予定を変えさせては、まいの行動が能動から受動に戻ってしまいます。
せっかくまいが自分で話し合って決めた事。
どんな些細な事でも、能動的な行動を繰り返す事によって、プレイに対しても自分の意思をだしてくれる。
そう考えたじんは、2人の提案を受け入れる事にしました。
一方のまいはと言うと、今日これから起こる事に、何とも言えない複雑な気持ちで居ました。
旦那以外の男性と2人だけで会う事。
しかもその男性に全てを見られていて、いずれはセックスをしなければならない相手だという事。
不安と緊張がまいを襲っていましたが、【会うとあの人は喜んでくれる】と、自分自身を納得させていました。
それと同時に、ドキドキしている自分にも気付いていました。
でもこのドキドキは恋愛のそれとは違う物。
ただ【主人のためにいけない事をしている自分】に対しての物でした。
【あくまでも主人の為に会うだけ。私は何とも思ってない】
まいは自分にそう言い聞かせて、旦那以外の男と会うために車に乗り込みました。
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