第2話 謀略
まいと木崎は毎日楽しくメールを交換していました。
日常の些細な事、夕飯の献立、オシャレなカフェの話題。
たまに木崎から送られてくる卑猥な内容に関しては、まいは返事をせずにスルー。
木崎からすると『カマトトぶりやがって!』ともどかしい気持ちでいましたが、まいに自分を信頼させるのが優先と考え、まいの好きそうな話題を振る事にしていました。
そんなある日、じんが1泊2日で県外に出張する事になりました。
地元企業や個人相手の営業をしているじんにとって県外出張すら珍しい上に、今回は泊まりを伴う出張。
木崎とのメールでその事を伝えると、木崎は『それを利用してまいさんに揺さぶりを掛けないか?』と提案されました。
木崎の目論みはこうでした。
まず、まいが旦那抜きで自分に会う事は、普通なら考えられない事だが、もしそれを承諾したとなれば、まいは自分を信頼してくれているという証明になる。
まいの性格上、会って話をする程度で終わると思うが、そういう事を繰り返し行い、今後プレイを実現させる為に実績を積んで行こう。
じんは【なるほど】と一旦は承諾しようと思いましたが、やはり自分抜きでの逢瀬は不安しかありません。
それに出張は金曜~土曜で、土曜は子供達が休みなので無理、金曜は木崎が仕事なので無理だろうと思っていました。
しかし木崎は『何とか仕事の段取りを付けて、2時間程度なら時間を取れるから』と、じんに強く提案してきました。
『何をするにも目の前でないとイヤ』と主張するじん、『今後の流れをスムーズにするために奥さんを揺さぶりたい』という木崎。
結局はじんが木崎に気圧される形で折れ、まいと木崎2人だけで会う事を承諾しました。
と言っても、男2人が勝手に盛り上がって決めただけの話。
まいが簡単に木崎と会う事を承諾するとは思えませんでした。
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