第17話 始まりの時①
「さ…………あまりゆっくりできる時間は無いもんね……シャワーする? まだそんなに寒くないからシャワーだけで良いよね?」
これがまいにとって最後の決断の時でした。
シャワーの後に待ち受けているのは木崎とのセックス。
セックスをする為に自分の身を清めるという事。
しかしまいはもう悩みませんでした。
「シャワーだけで…………」
繰り返されてきた緊張と弛緩。
その最後は木崎の腕に包まれての弛緩。
今までのそれとは違い、まいの心を木崎へと向かわせる事になったのです。
木崎のエスコートでバスルームの前に。
「お先にどうぞ……」
木崎はそう言うとベッドルームとを仕切るドアを閉めました。
来ている服を脱ぎ、まいは下着姿になりました。
備え付けのアメニティからヘアゴムを取り、髪をアップにします。
ふと鏡に目をやると、そこには草臥れた下着を纏うの自分の姿がありました。
【やだ…………こんな事ならもっと可愛いのにしたら良かった…………】
不思議な感情でした。
自分はじん以外とそういう関係を望んでいなかったのに……
いざそうなってしまうと、下着の種類を気にしている自分が居る…………
髪を纏めると、そのブラジャーに手を掛けました。
鏡を見ながらゆっくりとブラジャーを外すと、すっかり垂れてしまった乳房が。
まいは自分の乳房が大嫌いでした。
昔はそれなりに張りがあり、綺麗な形をしていた乳房。
しかし今は授乳により垂れ下がり、左右の大きさも極端に違う。
鏡から目を逸らすように、今度はショーツを。
すると、ライナーが湿っているのに気が付きました。
いつなんだろう?何で濡れてしまったんだろう…………?
実はまいの身体は木崎に手を刺激されている時から反応していました。
そして心が揺れ動く度に、その反応は大きくなり、ライナーに染みを作っていたのです。
せめてもと、まいはショーツからライナーを外し、クルクルと丸めて備え付けのゴミ箱に捨てました。
そして2人分のタオルとガウンを洗面台の上に用意し、バスルームへと入って行きました。
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