第9話 本音と建前②
まいの素直な告白を聞き、木崎は憤りを感じました。
「ご主人が奥さんの事を本当に愛してるのは私も感じていたよ。
それなのに……愛してる奥さんを他人に抱かせようなんて気持ちは私には分からないんだ。元々そういう願望は持ってないからね。
でも、私にとっては奥さんとセックス出来るのは嬉しい事だったから、奥さんには悪いけど旦那さんの願いを聞く事にしたんだ。
それなのに……旦那さんは奥さんだけでなく、私の事も裏切ったと思わないかい?奥さんからすれば、私の事なんかどうでも良いと思うのは同然だけど、もし相手が私だったら…………少なくとも『汚れちゃった』なんて思わなかったはず。」
木崎もありのままの気持ちをまいにぶつけました。
普通なら愛する旦那の事を貶したりするのは逆効果です。
しかしじんへの不満はまいから発せられた事もあり、木崎はまいに同調するように、わざとじんへの不満や憤りの言葉を口にしたのです。
「確かにそうかもしれませんよね……『木崎さんとなら』って決心してたから、多分そうは思ってなかったかも……」
まいに同調し、じんを落とす。逆に自分の事を良い様に思わせる。
それをまいの口からも出させる事で、まいは木崎の術中にまんまと嵌まって行ったのです。
木崎は次の行動に出ました。
ただのハンドマッサージから掌をフェザータッチ。
その間も会話を続けて行きます。
「奥さんは私と2回目に会った時、普通にキスを受け入れた事でも『そういう女だったんだ』って思ったんだよね?いくらじんさんの為だって言っても、受け入れられたのはまいさん自身の問題だよ?」
また一瞬、まいの身体はビクッとしました。
しかしそれが木崎の行動による物なのか、言葉に反応したのかは分かりません。
「まいさんは本当は凄くエッチなんだと思う。それについて自覚はあるかな?」
木崎はより核心へと迫って行きました。
「自覚…………私は今でも『主人以外となんて』って思ってるけど…………でも、昔からエッチなお話しとか漫画とかを読むのは好きだったかな…………」
「今は?そういうの読んでるの?」
「今はスマホで体験談っていうのかな?ガー○ズトークっていうサイトを見たりしてます…………」
「そうなんだ(笑)どんなのが好きなの?w」
「どんなの…………“あまあま”なのが好きかなぁ……?」
「あまあまかw そういう女性は多いと思うよ。『お姫様』みたいに扱われたいんだよね?w」
「そうかもしれない(笑)」
木崎はまいの願望を聞き出す事に成功しました。
しかしまだまだこれは序の口。
まいの隠された願望はこんなモノではありませんでした。
「あまあま以外には?無理矢理とか、それこそ旦那さんが望むような寝取られとかは?」
「無理矢理はイヤだなぁ……寝取られ?っていうのもちょっと…………」
「そうなんだ(笑) ま、私は寝取られは理解出来ないけど、無理矢理ってのは興味あるよ(笑)」
「え~~何か不安なんですけど(・・;)」
「大丈夫だよwこんな所で無理矢理なんかしませんからねw」
「ホントかなぁ(笑)」
「本当だって(笑) じゃあ、あまあまなのを想像するのって、相手は旦那さんなの?」
「え~と……それはノーコメントで(・・;)」
「www って事は違うんだw」
「だって…………どう考えても主人は言いそうにない言葉とかあるし(笑)」
「なるほどねwww」
この段階で、木崎はまいからどんな情報でも引き出せるように感じていました。
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