第7話 計略②
15分程で目的地である公園に到着しました。
地元では有名な大きな公園。
駐車場も第1~第4まであるほどの人気スポットです。
木崎はより駐車車両が少ない場所を探し、公園からだいぶん離れた第3駐車場へ車を入れました。
ちょうど近くに自販機があり、そこで飲み物を2本買い、また車に戻ります。
「はい、こんなので良いのかな?本当はオシャレなカフェが良かったんだけどね(笑)」
「えっ?あっ!そう言えば主人にお礼にご馳走するように言われてたのに…………私、払いますから!」
そう言ってバッグから財布を取り出そうとするまいの手を制止し、
「良いの良いの(笑)これは奥さんが僕に会いに来てくれたお礼だから。旦那さんにはご馳走した事にしといてねw」
「そんな…………何か申し訳ないです(・・;)」
「じゃあこうしよう。今から少しの間、奥さんの手を触らせてもらうね。いや、別に変な意味じゃないよwただ手のマッサージを兼ねて触らせてもらうだけだからw」
「え?マッサージ??尚更奢ってもらっちゃダメじゃないですか……(>_<)」
「それもそうか(笑) じゃあこうしよう!奥さん、今まで私のメールで返事くれない事があったでしょ?答えられる範囲で良いから、奥さんの口からちゃんと答えを聞きたいな。それがジュースとマッサージの報酬って事でw」
木崎には思惑がありました。
早い段階でどこでも良いからまいの身体に触れた状態を保つ事。
そしてエッチな会話をしている時のまいの反応を、自分の手を通して感じる事。
生真面目なまいがお礼をしなければいけないと思ってる事と、エッチ質問をスルーしていた事に対する後ろめたさを利用した訳です。
「…………分かりました。でも…………あまり期待はしないで下さいね(・・;)」
【きた!】
木崎はまいが半ば堕ちつつあると確信しました。
手を触る事なんて、然程大した事ではないと思われがちですが、手には神経が集中しています。
そして肌を合わせる事を継続する事で、人の心は安心感を感じ、その相手に対する抵抗が薄らいでくるんです。
まいのような人間にそこまで持って行く事が出来れば、後は強く押すと一気に崩れて行くでしょう。
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