ひろ美の旦那が帰ると、コンビニでUSBメモリを買ってきて、スマホのmicroSDからデータをPCに落としてコピーをした。
週明けに送ってやれば文句は言わないだろう。
それにしても、俺が逆の立場なら殴り倒してやりたいくらいに憎いはずだが、何か心に引っ掛かる。
ひろ美達には内緒にして欲しいと言っていたが、それも腑に落ちない。
自分の浮気を正当化するなら、少なくともひろ美を黙らせるいい口実になるはずだ。
そんなことに思いを巡らせながら、淡々と事務処理を進めた。
最後に痕跡が残らないように、PCに落としたデータを完全に消去してから仕事を終わらせた。
大した量も無かったため、意外と早く終えられた。
ひろ美達の元へ戻っても11時過ぎだ。
車に乗ってからふと思いつき、ひろ美の旦那に電話してみた。
浮気の相手の旦那に、その証拠を送るのはさすがにためらわれた。
女といちゃついているのか、なかなか出ない。
あきらめてきろうとした時に、ようやく出た。
「はい、大川です、どうしました所長さん」
「コピー出来ましたよ、どうしますか?送った方がいいですか、時間があれば手渡したいんですが」
「今遣ってる最中なんで、何か話したいことでも?」
「ええ、確認しておきたいことがあるんですよ」
「分かりました、今から言う場所に来れますか?」
「ええ、仕事も片付いたので」
「女のうちなんですけど、着いたらチャイム鳴らしてください」
ナビを頼りに言われた家に向かった。
行って驚いたのだが、うちの取引先の会社に隣接する地元では有名なバツイチ女社長の豪邸だった。
仕事で何度か顔は知っていた。確か40そこそこの美人だが、気難しそうな性格だったのが印象にあった。
古い家でカメラ付きインターホンではなく、ピンポン式のチャイム。
言われた通りボタンを押してまっていると、玄関の格子戸があき、外を確認するような視線があった。
あっと言うような驚きの表情で、俺を手招きする女社長。
広い玄関に入り、いでたちを見てこちらが驚いた。
エナメルのボンテージに網タイツ、二の腕まで覆う黒の手袋、仕事で会うときとは違い女王様スタイルだった。
「さ、上がってこっちに来て」
後ろをついていくと、縁側の廊下を抜けて一番奥の突き当たりの部屋へ通された。
中に入ってまた驚かされた、建物の外観からは想像も出来ないSM部屋で、防音されていて外部の音が全く聞こえなかった。
ひろ美の旦那は裸で半立ちのまま、壁に両手両足を固定されていた。
「早紀、プレイは中断だ、解いてくれ」
「折角盛り上がってきたのに、仕方ないわね。あなた、会ったことあるわね、えっと、、、」
「いい趣味ですね大川さん、相手の方もとびきりの美人だ。社長、思い出さないでいいですよ、仕事とプライベートの区別はしっかりしてますから」
「あっ。あなた確か、、、」
「うちのよめの浮気相手だよ、顔見知りだったのか。所長さん話って何ですか?」
「こちらだけ浮気の証拠を渡すのはフェアじゃないですよね、あなたも私にくれない?」
「そっか、それもそうだな、安心できないよね。いいですよ、何なら早紀との絡みカメラに撮っていいですよ」
「ちょつと。何勝手な話してるのよ」
「早紀、この人凄いんだぜ、ひろ美のこと手懐けてくれてるんだ」
「えっ、ひろ美を?」
「妬けるか、元々のパートナーだからな、今じゃケツまで仕込まれてるみたいだぞ」
「ふ~ん、それは凄いわ、あのひろ美がねぇ」
※元投稿はこちら >>