君子、そして博子 9
「ね?博子、言ったとおりだったでしょ?」
鶯谷から電車に乗り 途中で乗り換えて…、最後の乗り換えは一本見送って[当駅発の始発]を待った。
幸いにも座れた、オバサンが俺を挟んで博子さんに話しかけていた。
「1回くらいじゃ許して貰えない、言ったとおりだったでしょ?博子?」
「もお、恥ずかしいわ君子、言わないで…」
「また思い出しちゃう…」
「嬉しそぅに してたものね?博子」
「あんなに追いかけちゃって…」
「もぅ許してよ 君子」
小声とはいえ 周りに居る人達には 2人の会話は どぅ聞こえたのだろう?
「健ちゃんは?、ご満足頂けた(笑)?」
オバサンは そぅやって 時折 俺にも話しかけてくる。
端から見れば どちらかの[子供]の様な俺、まさか この3人が ついさっきまで…、周りの誰もが そんな事は想像出来ないだろう。
「どぅする?博子?」
「(車で)送ってこぅか?、一緒に降りる?」
博子さんの駅は 俺達よりも1つ先、しかも 駅からは歩いて数分 通勤を考えての事らしかった。
「なんならウチに来る?、着替え持って…」
「大丈夫 旦那は今日も遅いから…」
「もしかしたら また…、ね?博子」
「そぅだ!、スカート持ってらっしゃよ博子」
「直してあげるわ 私のみたいに…」
「何かと便利なのよ これ」
『今だって…、ね?健ちゃん?』とオバサンは小さな声で 俺を覗いて微笑った。
混みあう車内、腰がくっ着くほど身を寄せた3人、 俺は周り悟られない様に コッソリとオバサンのお尻の下に手を忍ばせていた。
「そぅしよ ね?博子」
「そぅお?」
「なら、そぅさせて貰おぅかしら?」
車が停めてある最寄り駅の駐車場に着いた。
『どぅぞ、健ちゃん』
博子さんは そぅ言って 後ろのドアを開けてくれた。
「博子?」
「あんたは1人で後ろ!」
「後ろで変なこと始められちゃったら 気が散って たまったモンじゃないわ」
「何言ってんのよ君子」
「それこそ 貴女が運転中に変なこと始めちゃったら 危なっかしくて 仕方ないわよ」
「いいから!」
「あんたは1人で後ろ」
「ほらッ、早く乗って!」
2人の そんなやり取りを横目に 助手席にすわった。
「本当ならさ、お茶でも出したいとこなんだけどさ、散らかってるしさ…」
「ゴメンね健ちゃん、また今度 遊びに来て」
「博子ぉ?」
「『して』って聞こえるわよ それ、ンとにもぉぉ」
「だいたい 何が散らかってんのよ?」
「ゆうべ貴女を喜ばせてくれたやつ?」
「もぉお!」
「貴女が想像してる様なモノは散らかってなんかないわ、ちゃんと片付けてあるわよ!」
「(プッ)馬ッ鹿じゃないの?あんた…」
「ほらッ着いたわよ」
「早いとこ 行ってらっしゃい!」
と、博子さんのアパートに着くまで 2人のやり取りは続いた。
「お待たせぇ」
そぅ 博子さんが戻ってきた。
君子
「ずいぶん早かったじゃない?」
博子
「だから言ったでしょ?散らかってるって」
「笑わないでよ…、これでもね 悩んだのよ、どれ着てこぅかって、アレやコレや引っ張り出して、それを適当に放り込んで来ただけよ」
君子
「ほら やっぱり…」
「ちゃんと下着も悩んだんじゃない、そぅでしょ?博子」
博子
「だから五月蝿いって!」
君子
「でもビックリ、博子があんなだったなんて」
「ねぇ健ちゃん?」
博子
「あんな って?」
君子
「私も人の事言えないけどさ、あんた『ド』が付くのね?」
「誰でも『Mっ気』は有るんだろぅけど あんたには『ド』が付くって話し」
「で?、本当に そうなの?」
博子
「もぉお!、そんな事 答えられる訳ないでしょ、もぉ何言ってんだか君子ったら…」
君子
「ねぇえ 健ちゃん?」
「健ちゃんは解る?、今の会話、『M』とか何とかって」
博子
「もお君子ッ」
「健一さんにまで そんな話し」
「まだ高1でしょ?健一さん」
君子
「あら?、その高1の健一さん跨いで 腰振ってたのは 何処の誰かしら?」
博子
「もお、また それ言う」
「いい加減 許してよ もお!」
俺
「何となくは 解るよ」
「その…、MとかSとか…」
博子
「そうなの?…」
俺
「うん…」
「小説何とかって…、本屋さんで…、その 立ち読みして…、『成人誌』とかの所のやつ 参考書とかの所に持ってって…」
『そぅなんだ?』、2人が同じ様に 感心していた。
俺
「Mが いじめられたい人、で Sが いじめるのが好きな人、そんな感じなんでしょ?」
「オバサンは どっちも好きみたいだけど」
君子
「あら ご名答」
「でも私は 8-2でMね」
「でもね、博子は違うみたいなの、それこそ どっぷりM、根っからの!、でしょ?博子?」
博子
「もぉ、いじめないでよ2人して…」
「答えられる訳なんでしょ そんな事」
君子
「私は『ド』が付く程の変態です って?」
「ねぇえ 博子?、そんな『ドM』の貴女が 今まで どんなセックスしてきたの?」
「縛られたりとかも したの?」
「白状するとね…」
「私は有るわよ…、軽くだけど…」
「目隠しされたり…、軽く手首縛られたり…」
「ねぇ博子? あんたは?、あんたはどぅなの?ねぇ博子?」
博子
「ねぇえ 健ちゃん?」
「私が『ド』が付く程の『M』だって気づいたんでしょ?、そぅよね?」
俺
「うん、何となく…」
博子
「そぅよね? 気づいたのよね?」
「なら私は それ以上は答えないわ」
「して 何でも、さっきの雑誌に載ってた事でも何でも、健一さんが したい事して良いの 遠慮なんかしないで…、何なら 君子と2人がかりで…。それが 私の答え」
君子
「もぉぉ、変な事言い出すから こっちまで変な気になって来ちゃったじゃないの」
博子
「貴女が先に言い出したんでしょ?」
「でしょ?、そぅよね?健ちゃん?」
俺
「ん?、そぅだっけ?」
「でもさ博子さん?、どぅなっるの?アソコ、もぅさぁ、その…」
博子
「おかしく なってるわ、とっくに…、恥ずかしい位に…」
「もうスカートが滲みになっちゃってるかもしれない。だって そうでしょ?、君子が破いちゃったから…、履いてないもの私だって…」
君子
「…私も…」
「あんなに奥まで入って来られたの 始めてだったから…、思い出しちゃって…」
「奥まで入ってきて こじ開けられちゃって…、始めてよ あんなの…」
[四十 し盛り、五十 何とか]って言うけれど、確かに そぅなのかもしれない。
今にして思えば あの頃の俺は ほとんど[猿]そのもの だった。
君子さんの家に着くと どちらからともなく 俺にしがみついてきた。
2人で俺のズボンを脱がせて、2人でパンツを脱がせて、2人で横から舌を這わせて、2人が同時にスカートを捲って、2人が並んでテーブルに手をついて…。
並んだ2人の尻を目掛けて、君子に そして博子に、何度も何度も 腰を振った。
2人に振り向かせて、そして 2人の顔目掛けて 放った。
2人は、2人の顔に飛びちった それを 互いの舌で舐め合っていた。
翌 月曜日。
「昨日はゴメンね」
そぅ言って綿貫が駆け寄ってきた。
「ん?、大丈夫? 綿貫の方こそ…、風邪 治ったのか?」
「うん、もぅ平気」
俺の問いかけに そぅ答えた綿貫。
「仲の良いとこ悪いんだけどさ、山根 放課後 空いてる?」
「ちょっと 付き合ってくんない?」
そぅ須藤が 横から入ってきた。
「特に用事は無いけど…」
そぅ言って綿貫の顔を見ると
「うん…」、綿貫は ただ そう返した。
授業中
「何なの?須藤 放課後付き合えって?」
「いいでしょ何だって」
「デートよデート!」
「馬ッ鹿じゃないの?あんた、そんな事も分かんないの?」
「それにしても たぬ子、良く何も言わずにOKしたわね?、何か有ったの たぬ子と…」
「別に…」
「特には 何んにも無いけど…」
「風邪で昨日のデートがダメになった位で…」
「でもアレかぁ、年上のお姉さんとデートかぁ、それはそれで楽しみだよな?」
「あんたって ホント 馬鹿ね」
教科書に目を落としたままの須藤が そう言っていた。
「じゃぁね山根くん…」
「先 帰るね…」
放課後 そぅ言って綿貫が教室を出ていった。
[歩き]の須藤の隣で自転車を押して、『あいつが どぅだの』『担任が どぅだの』『須藤の友達 先輩が どぅだの』、そんな話しをしながら歩いた。
俺達は 滅多に人の来ない、用水路脇に整備された遊歩道のベンチに座った。
途中、ハンバーガーとジュースを買って、ベンチに座って それを食べた。
「なぁ山根?」
「あんた達 何処までいったの?、綿貫と…」
「それは 前にも答えたろ?」
「あの通りだよ」
「そっか やっぱり やる事 やっちゃってるんだ…?」
「ホント、それで良くOKしたよね?たぬ子、何で?、何でなの山根?」
「そんなの俺に聞いたって分かんねぇよ」
「何でなんだろぅな、ホントに…」
「やっぱりアレかな?」
「私が本当は 1っこ上だから?、先輩達の事とか気になって…、それでなんかなぁ」
「それは無いと思うよ…」
「だって 須藤には悪いけどさ みんな気にして 俺と綿貫ぐらいだろ?須藤とこんなふぅに話すの、だろ?」
「それもさ[何だかなぁ?]なんだよね 私からしたら、何だか[距離有りすぎる]ってかさ。そんなんじゃないのに私…」
「だから なんだと思うよ…」
「あのさ…、始めは もぅ1人居たの 綿貫の他にも…」
「他にって山根、なんだよ それ!」
「まぁ聞けよ…」
「俺が 中学の時に 転校してきたのは知ってるよな?」
「もぅ1人居たんだよ 根岸って奴が、綿貫の一番の友達でさ 幼稚園からの…、で 何っ時も2人、って言うより 2人して浮いててさクラスで…」
「俺だって そんなにすぐには 馴染めないだろ?、で 声かけて来てくれて…、それから3人で遊ぶ様になって…」
「でも その根岸って奴 高校落ちゃってさ 今は都内の私立、綿貫とも あんまり遊ばなくなったみたいで…、それからなんだよ俺達」
「だから 綿貫からしたら ほっとけないんじゃないかな?、こぅ言っちゃ悪いけど その クラスで浮いてる須藤のこと」
「そんな とこ だと思うよ」
そんな事を言いながら ハンバーガーに かぶりついた。
流石に言えなかった。
『中学生の時に その根岸の目の前で…』
流石に それは 言えなかった。
が、変な妄想が頭をよぎった。
1つ上の須藤、そのせいなのか 体質なのか そんな事は分からないが 俺には その[発育]が違って見えた。
胸もお尻も 綿貫や他のクラスメートとは 夏服のせいも有ってか 兎に角 違って見えた。
俺は その2人を頭の中で 並べた。
昨夜の オバサンと博子さんの様に 丸出しにしたお尻を突きだした2人を 頭の中で…。
「山根、あんた子供みたいだよ…」
その須藤の言葉に我にかえった。
口元を手の甲で拭う俺の手を退かして 須藤の手が伸びてきた。
俺は その須藤の手を引き寄せた。
「何すんだよ山根、山根ってば…」
そう 俺を跳ね退けようとする須藤を 俺は離さなかった。
須藤は ただ真っ直ぐに 俺を見ていた。
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