高橋生花店に発注を依頼し、1週間が経過した。
イベントの担当者から、高橋生花店の花の調達が上手くいっていない、との報告が上がってくる。
担当者には、高橋夫妻に対して、一度受注した以上は責任をもって準備するように、と泣き言は一蹴するよう指示を出した。
迎えたイベント前日の金曜日。
会場のセッティングは滞りなく進み、あとは高橋生花店が会場に花を飾り付けていくだけとなった。
しかし、高橋夫妻は昼を過ぎても現れない。
夕方になり、ようやく高橋生花店の車が到着した。
会場に来たのは、夫だけだった。
高橋君は、生気を失った悲壮な顔つきで、私を見つけると、ふらふらとした足取りで私の目の前に来て土下座をした。
高橋「申し訳ございません!」
私「どうされました?」
高橋「知り合いの伝手を当たりましたが、今回受注を受けた花は用意しきれませんでした!」
私「どれくらい用意出来たんですか?」
高橋「受注させていただいた分の2割が精一杯でした……」
私「2割!?冗談じゃない!もう会場のセッティングは終わって、明日にはイベントなんだぞ!宣伝も既に終わっている!」
私はわざとらしく声を荒げて、高橋君をまくしたてた!
高橋「本当に……何と言ったらいいか……」
私「ええい!話は後だ!私は一度本社へ戻り対策を講じなくては!高橋さん、明日の夕方に本社へ来たまえ!!」
私は土下座を続ける高橋君を尻目に本社へと戻った。
本社へ戻るなり、私の指示通り花を買い占めていた中卸業者へ連絡をして、高橋生花店に受注した3倍の金額で会場の花のセッティングを依頼した。
その日の夜のうちに、業者3社が連携し、会場のセッティングは滞りなく終了し、翌日は無事にイベントを開催した。
そして夕方になり、高橋夫妻が私の会社を訪れる。
受付から連絡が入り、私は夫妻を社長応接室へと通すよう指示をした。
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