私は会社に戻り、今回のイベントを企画した担当者を社長室に呼んだ。
担当者はイベントの予算計画書を持って社長室へと入ってきた。
私「今回のイベントで花を発注した業者は初めての取引だな?」
担当者「はい。当初はいつもの業者に発注しようと思っておりましたが、店主が飛び込みの営業にうちに来まして。値段も格安でしたので。まさか、お気に召しませんでしたか?」
私「いや、そういうことではない。初めての取引先だから、少し気になってな。ありがとう。下がっていいぞ。」
担当者「失礼致します。」
担当者が出た後に、予算計画書に目を通す。
私は経理担当者に電話をする。
私「あぁ。吉田だ。ちょっと教えてもらいたいのだが、イベント会場に飾る花は原価率何%の業者で発注しているのか調べてほしい。」
私が電話を切り30分くらいして経理担当者が部屋に入ってくる。
経理担当「お待たせ致しました。原価率は概ね50%で発注をしております。」
私「なるほど。五分五分か。そこに飾り付けの設置費用か。」
経理担当「そうなります。しかし、今回の高橋生花店は、原価率を70%まで落としてきましたので、予算は大分抑え込むことが出来ております。」
私「ふ~む。分かった。次は75%まで落とさせて発注したまえ。その分、技術料は上乗せして構わない。」
経理担当「かしこまりました。営業担当とすりあわせ致します。」
私「あぁ。頼んだ。」
花の原価率を下げさせれば下げさせる程、梢という女を安く私の物に出来る。
そこから、約半年近くの間、私の会社は高橋生花店からイベント会場に飾り付ける花を発注することになった。
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