高橋夫妻はしばらくの間、私の顔を見続け、やがて夫が口を開く。
高橋「あの……それは、どういう?」
私「どういう?そんなものは大人ならもう分かるだろう?高橋君、君には返済を猶予する期間を与えよう。1000万ならば、そうだな。10年だ。君には10年の間、私の会社で働きながら、無利子での返済をしてもらう。もちろん、返済の他に生活に必要なだけの給料は支払おう。しかし、この提案は奥さん、あなたが体で支払うことが出来れば、の話だ。それが無理ならば、今すぐ耳を揃えて損害額を支払ってもらう。」
私は高橋夫妻をまくしたてるように条件を提示した。
こういうのは相手に考える暇を与えてはならない。
私は高橋夫妻の前に一枚のメモ紙を置いた。
私「君達がこの条件を飲むなら、今夜夜の8時までにメモに書いてあるホテルの2201号室へ来たまえ。もちろん、奥さん一人でだ。私はイベント会場の様子を見てからホテルへ移動する。いいか。これは私から与えられる最後の恩情だと思いたまえ。」
そう言いながら、私は高橋夫妻を残し、応接室を後にした。
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