「隠しても無駄だ、、、ナマでシテいたよな、、、、中に出させて、お前は大声出して、歓んでいた、、、」
「あれは、、、部長が、、、、クスリも飲んでいたし、、、大丈夫だから、、、、仕方なくて、、、」
「大丈夫なのに、、、お前は、あの前の日、、、俺にゴムを着けたよな、、、ナマは部長のために取っておいたのか?」
ナツナは必死にすがるような瞳をしていた。
「違うの、、、、部長の命令だったの、、、、ゴメンなさい、、、本当にゴメンなさい、、、」
「お前はあのクソ部長の言うことなら何でもきくんだな、、、考えただけで気分が悪くなる、、、」
ナツナは自分の手を握りしめ、涙をこらえていた。
「わたし、間違っていました、、、どうかしてたんです、、、、全部、タカシさんに打ち明けるべきだった、、、許してもらえるなんて思っていません、、、傍に居させて下さい、、、それだけでいいんです、、、一生をかけて償いたいんです、、、お願いです、、、」
「そんな必要はない、、、部長が好きなんだろう?ヤツとのセックスが気持ちいいんだろう?ヤツの愛人で面白楽しく暮らせばいい、、、償いなんて俺は要らない、、、」
「違うの、、、違う、、、本当に好きなのはタカシだけ、、、」
「違わないさ、、、お前は自分が本当はあの男を1番求めていることを認めるのが怖いんだよ、、、だから俺を好きだと思い込もうとしているだけだ、、、」
それは断じて違う。
本当に愛しているのはタカシ一人だった。
でもあの時、、、、
部長とはこれが最後と思い込んでいたわたしには、どうせなら思いきり楽しみたいという、したたかな女の考えが心の奥にあった。
そして初めて女にしてくれた滝沢との最後の思い出を残したいという気持ちがあった。
タカシに対する明らかな裏切り行為だった。
タカシはあの時、それを見抜いていたのかも知れない、、、
でも今それを打ち明ければタカシを余計に苦しめてしまう。
タカシは壊れてしまうかも知れない。
「信じて下さい、、、本当に愛しているのはタカシだけ、、、」
もう自分が口に出来るのはそれだけだった。
「信じられるわけがないだろう、、、、嫌いな男に抱かれて、、、気持ちよくなったら、簡単に好きになる節操の無い女なんか、、、」
タカシの言葉がナツナの心をエグる。
その通りだと自分でも思う。
「それにあんな最低のクズ男を好きになる女に愛していると言われても、少しも嬉しくなんかない、、、、、、俺の愛していたナツナはもういない、、、いや、全部幻だったんだ、、、」
タカシの心が悲鳴を上げているのがわかった。
こんなに自分を愛していてくれた人を、わたしは裏切ってしまった。
浅はかな女だと自分をなじる。
もう二度と以前の二人には戻ることは出来ない。
そうしたのは他ならぬ自分だ。
「ゴメンなさい、、、」
涙がとめどなく溢れていた。
わたしは汚れていた、、、躰も心も、、、
本当に大切なことを気付いていなかった。
いや、気付いていたのに自分に都合よく誤魔化していた。
その酬いが今やって来た。
もし自分が逆の立場だったら、、、わたしはおそらく絶対に許すことは出来ない。
1番大切な人を失ってしまった。
自分勝手な後悔しか残らない。
何があんな男と最後の思い出だ、、、
わたしは本当に愚かな女だ。
「もう二度と話しかけるな、、、自分の席に戻ってくれ、、、、日本に帰ってくれ、、、」
引き絞る声でナツナに告げた。
ナツナは項垂れたまま力無く席へと戻っていった。
つづく
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