長年連れ添った夫婦のように、息の合った性交だった。
二人の関係の歴史の深みを伺わせる、まるで年輪のように刻み込まれた、その証しをまざまざと見せつけられた気分だった。
すべてが終わった、、、何もかも、、、
滝沢がいきり立ったままの性器を引き抜く。
本気汁にまみれた男根が、まるで雄叫びを上げるように何度も跳ね上がる。
「ああん、、、部長、、まだ抜いちゃ、いやぁ、、、」
部長の体を膣内に迎えたまま、その余韻を味わいたいのだろか?
甘えた声でナツナが言う。
ザーメンを膣口から滴らせながら、、、
ナツナにとって滝沢が本命で、、、俺の方が浮気だったのかも知れないな、、、胸が苦しくなり、吐き気すらこみ上げる。
「フフッ、せっかく中出ししたんだ、、、水島君
にしっかりと見せてやらないとな、、、」
「えっ?、、、何のこと、、、まさか、、、、」
慌ててナツナが辺りを見渡す。
そして人影が目に入った。
「そんな、、、、イヤァ、、、タカシ、、なの?本当にタカシなの?」
俺は応えず、背を向け歩き出した。
「こんなのウソ、、でしょう?どうして、、、タカシが、、、」
「俺が呼んだのさ、、、、俺とナツナの本当の関係を見せるためにな、、、」
「ひどい、、、約束が違う、、騙したのね、、、、タカシ、待って、、、違うの、、、お願い、タカシ、行かないで、、、、」
ナツナが必死になって訴える声がした。
追って来るのがわかる。
だがもうナツナと話すことは何もない。
今見たこと、聞いたことがすべてだ。
俺は部屋へ戻り帰り支度をすると宿をたち、家へと急いだ。
家に帰るとスマホの履歴にナツナの名がいくつもあった。
ブロックしてからすべてを消去する。
こんなのはポーズだけだ。
今頃また滝沢の腕の中で俺のことなど頭から消し去り、爛れたセックスに溺れているに違いない。
タカシはナツナとの思い出もすべて消去した。
ナツナはその後、会社で何度も声をかけて来た。
俺はそんなナツナを空気のように扱い、完全に無視を決め込んだ。
周りが訝しげな目を向けていても、ナツナは構わず必死になって声をかけ、話をしようとしていた。
待ち伏せをされても、家にまで押しかけられチャイムをならされ、インターフォンで話だけでもいいから聞いて欲しいと言われても相手にしなかった。
ナツナは何時間も佇んでいたが、終いには諦めて帰って行った。
ナツナはタカコよりも嘘つきで汚れた女だと思った。
あんなクズな男を愛している女は同じクズだと思った。
あんな女にプロポーズした自分にヘドが出そうだった。
もうこんな場所にいたくない。
タカシは以前から打診を受けていたオーストラリアのメルボルンにある支局に転属願いを出すことにした。
英語にはそこそこ自信がある。
不自由はしないはずだ。
そこで力を蓄えてやる。
そしていつかヤツらに報復してやる。
そう心に強く決心していた。
つづく
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