仕事を終えた笹原智子は河上景子に声をかけられた。
『笹原部長、お疲れ様です。あの、ほんとうに明日からローターを着けて仕事するんですか?』
相変わらず地味で真面目な河上景子らしい質問だ。
『ええ、その通りよ!河上さん、やっぱりやりたくないの?』
『違います…楽しみなんです…』
『ふふっ、河上さん、あなたってこういうのは積極的なのね、可愛いわよ』
『あ、ありがとうございます。で、明日から使うローターってどんなのですか?』
『あっ!ネットで買えばいいやって思ってたけど、さすがに間に合わないわね…困ったわ…』
『部長、よかったら…お付き合いしますよ』
『えっ!?付き合う?どういうこと?』
『私…そういうお店知ってるので…』
『河上さん、あなたって…見た目と違って、ほんとうにスケベなのねぇ』
『あっ、恥ずかしいです…』
『とにかく助かるわ、明日からやる…ってみんなに言っておいて準備してなかったらいけないものね。
河上さん、一緒に行きましょう。あなたの行きつけのお店に…(笑)』
『おっ、部長、河上さんとどっか飲みに行くんすか!?いいなぁ~俺も連れて行って欲しいっすよ~』
通りかかった田中課長が冗談っぽく言った。
『ダメよ!河上さんと行くんだからぁ~』
『あらあらあら~お二人はもしかしてそっちの世界のかたですかぁ?』
『そっちの世界だったら、いけないのかしらぁ~』
智子は冗談っぽく返したが河上景子は恥ずかしそうにうつむいていた。
『部長、ここです…』
景子は智子をアダルトショップに連れてきた。
『河上さん、会社を出たら笹原さんでいいのよ。ましてや店内で部長なんて呼ばないでよ(笑)』
『はい、部長…。』
『ほらぁ、もうダメじゃん』
『す…すみません』
『あなた、ここにはよく来るの?』
『た…たまに…ときどき…』
店内に入ると仕事帰りのサラリーマンやいかにもスケベそうな男たちで溢れていた。
そんな男たちの視線は笹原智子と河上景子に集中した。
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