伯母と叔母
年号はまだ昭和、中学3年の夏休み、母親と母の実家に帰省した。
母の実家は東北の とある県境いの 雪深く ドが付くほどの田舎町。
その実家を母のすぐ上の兄、たしか4つ違いだったと思う その兄が実家を継いでいた。
コンクリートミキサーの運転手と稲作という兼業農家だった。
その実家には 祖父母と母の兄夫婦 そして中1男子の誠治と小6女子の由美の6人で住んでいた。
兄の名は二郎、伯母の名は早苗。
戦後すぐに建てた その家は、玄関を開けると土間がある。
土間を隔てて、右に囲炉裏の残る居間、左にトイレ、そのトイレのさらに奥は物置、玄関から見ると正面に台所、その左に脱衣所、その左に浴室、そんな作りだった。
が、このトイレ、まだ下水が通っておらず簡易式の水洗だった。
汲み取り式なのだが 便器だけを水で洗いながす、男性用小便器 個室 共に。
6人兄妹の母、上から 兄兄母妹弟妹。
長兄は いささか訳ありなので割愛させて頂く、実質次男が実家を継いだ。
兄妹 みな それぞれに結婚し独立していた。母のすぐ下の妹は失恋から自暴自棄になって別の男と関東に出ていた。そして母も故郷を捨てた、俺が小5の時に。
残りの兄妹たちは 隣町ていどの距離に暮らしていた。
その日、母は同級生達と会うと 町に出ていた。
従兄弟の誠治も友達と‥。
あれは11時頃だったろうか、俺が用を足そうとしていると 玄関のあく音がした。
と、すぐに 勢い良くトイレのドアがあいた。
『あっ!』
『ゴメン、ケンにぃ』
『漏れるっ!、ゴメン!』
由美が 慌てて個室に入っていった。
一瞬 小便が止まった。
止まったっきり なかなか出て来ない、トイレのドアは勢い良く閉めた反動であいたままになっている。
『由美っ、はやく!』
伯母さん、早苗さんまで飛び込んできた。
『あっ!』
『ゴメン、ケン坊、ゴメンね』
『由美!、由美 はやく!』
首だけで振り返ると 伯母さんは 膝を擦り合わせてモジモジしながら 由美に催促している。
何を思ったのか、俺は半歩下がった。
『終わった?』
『ゴメンね、見てないから‥』
『ゴメンね』
そう言いながらも まだモジモジしているのが衣擦れの音でわかる。
俺は 黙って首を振った。
伯母さんが それを どう解釈したかは分からないが。
出ない!、どうしたもんか?、緊張で途中で止まったまま出て来ない、したいのに したいのに出て来ない。
個室のドアがあいて 由美の方が先に出てきた。
『ゴメン、ケン坊』
『出ないんなら(トイレから)出てて』
『また あとにして』
『ね、出てて』
伯母にそう言われたが、俺は 何も言わず また半歩下がって チンチンを振った。
が、その感触は いつもと違った、根元を支える指に 堅さが伝わってきた。
勃起していた。
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