サトルは日を置かずアイナと逢うようになった。
アイナの離婚も成立し、二人の交際は順調に進んでいた。
アイナの夫が素直に離婚に応じたのは以外だった。
この男は本当に女を見る目が無いんだなと思い、呆れてしまう。
子供に対する愛情の薄さにも憤りを感じるほどだ。
きっと手当たり次第に女をモノにすることばかりを考えて、まともな神経など持ち合わせていないのだろう。
こんな男にオモチャにされたアズサが哀れだと思った。
でもそれはアズサ自身が招いたことでもある。
アイナもそうだ。
実りのない結婚生活で辛い日々を送っていたのだろう。
俺はこれから全力を尽くしてアイナを幸せにすると心に誓った。
アイナの子供にも会った。
アイナにそっくりな可愛い男の子だった。
父親の愛情が薄かったせいか、すぐにサトルに懐いてくれた。
素直でおとなしい、アイナの面影を強く受け継いだ男の子が可愛いくてならない。
三人で何度も出かけ本当の親子のように過ごすようになっていった。
お互いの親にも紹介した。
不思議なくらい心よく受け入れてくれた。
特にアイナの母親は喜んでサトルを迎え入れてくれた。
やはり不幸な結婚生活を送っていた一人娘への愛情が深いのであろう。
アイナをお願いしますと、何度も頭を下げられ、こちらが恐縮してしまうほどだった。
つづく
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