アズサの帰りは遅かった。
深夜の1時を過ぎていた。
出来るだけ音をたてないように気をつけているのがハッキリとわかる。
眠っているだろう夫に対する気遣いなのか?
それとも夫への裏切り行為の後ろめたさなのか?
しばらくしてアズサが寝室へ入ってきた。
眠っているふりをする。
おそるおそるという感じで、サトルの顔を覗き込み、ホッとした表情を浮かべて服を脱ぎ、フトンの中に入ってきた。
サトルはいま目が覚めたふりをして、アズサに声をかける。
「んーん、、、帰ってきたんだ、、、お帰り、アズサ、、、」
「ただいま、、、遅くなって、、ごめんね、、、」
怯えた目をしていた。
少し声が震えていた。
やっぱり男に抱かれてきたんだ。
こんなに遅い時間まで、他の男の腕の中でセックスを楽しんでいたんだ。
ネトラレの性癖が激しく疼く。
たまらないほど興奮する。
そして濡れた子犬のように怯えたアズサが愛おしい。
激しい嫉妬が身を焦がす。
男が送ってきたのだろうか?
別れの口づけを交わしのだろうか?
舌を絡ませ合う二人が頭に浮かび、歪んだ欲望が激しく勃起させる。
自分はやはりアズサを愛している。
アズサがたまらなく欲しい。
「アズサ、、おいで、、、」
アズサはサトルの胸に飛び込んできた。
「遅くなって、ゴメン、、、サトル、、、本当にゴメンね、、、」
再びアズサが謝ってくる。
本当に遅くなったことだけを謝っているんだろうか?
きっと違う、、、
アズサが傷つけてしまわないように言葉を選んで声をかける。
「いいんだよ、、、普段からアズサは俺のために頑張り過ぎるから、、、もっと自分に優しくしなくちゃダメだよ、、、キツイときは俺にもっとすがっていい、、、俺もその方が嬉しいんだ、、、ありのままのアズサでいい、、、俺には全部さらけ出して欲しい、、、俺はアズサが思っているよりもずっとアズサを愛しているから、、、」
つづく
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