慌てたように二人が離れた。
「あっ、アズサ、帰って来たんだ、、、お帰り、、、」
アヤが取り繕うように言いながら、胸元の乱れを整えようとしている。
一体どういうつもりなの?
思わずキツい目線でアヤを見てしまう。
サトルはお前には関係無いどういう態度で、アズサを見ようともしない。
その通りだ。
わたしには二人を咎める権利など無い。
居たたまれない雰囲気が漂う。
気まずさに絶えかねたアヤが、もう遅くなったからと言って帰って行った。
リビングを出る時に、
二人が熱い視線を交わしていたことに気づいていた。
アヤは明らかにサトルを誘惑しようとしている。
いつからアヤはそんな気持ちになったんだろう?
もしかして初めからそのつもりだったのだろうか?
いや、そんなはずはない。
アヤは本気でわたしのことを心配してくれていた。
わたしのために二人で話しているうちにサトルに惹かれるものを感じてしまったのだろうか?
とにかく、このままにしておけば、二人は間違いなくもっと接近してしまう。
そんなのは絶対にイヤだ。
アヤにサトルを取られたくない。
サトルとアヤが愛を囁きながら、熱いセックスをしている姿が頭に浮かぶ。
胸が締め付けられるように苦しい。
サトルがわたしの浮気を知って、どんなに苦しい気持ちでいたのか、少しだけ分かった気がする。
絶対に負けたくない。
アズサは決死の思いで、最後の手段に訴える覚悟を決めた。
つづく
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