「そんな、、、どうしてアズ、、、、あんな男と浮気なんて、、、、サトルさんとレスだったの?寂しかったの?」
「ううん、、、違う、、、、いっぱいしてた、、、」
「それならどうして?サトルさんに満足してなかったの?」
「違うの、、、不満なんて全然無かったのに、、、サトルさんを愛しているのに、、、わたし、、、」
アズサは全てを話した。
自分の過ちを、、、
「分かった、、、、アズサ、ハッキリ言うけど、酷いよ、、、サトルさんが別れるって言うのも無理ないと思う、、、でもね、アズ、、、簡単にあきらめたらダメ、、、バツ一のわたしが言うのもヘンな話だけど、、、」
「でも、、、もう無理だと思う、、、、サトル、、、絶対に許してくれない、、、」
「そんなこと当たり前でしょう、、、アズがそんな酷いことをしていたんだから、、、簡単に許してくれるはずがないに決まってる。でも、諦めたら本当にお終いだよ、、、あんなにいいダンナさん、、、サトルさんみたいな優良物件なんて、なかなか見つからないだからね、、、とにかくしがみつきなさい、、、諦めるのはそれからでも遅くないでしょう?アズにはわたしみたいに離婚して欲しくないの、、、辛いと思うけど頑張ろう。わたしも出来るだけ力になるから、、、アズ、一人になったらもっと辛いんだからね、、、」
電話を終えた。
アヤの離婚の原因は夫の浮気だったが、自分の辛さを気にもせず、アズサのことを気遣ってくれる。
物事をハッキリ言うアヤらしい物言いだったが、アズサへの思いやりが伝わって来て有り難かった。
少しだけ気分が落ち着いた気がした。
昨夜からの疲れが一気に押し寄せ、アズサは眠りに落ちていった。
目が覚めたのは夕方だった。
慌てて夕食の準備をする。
きっとまた食べてはくれないだろうと思いながら、そうせずにはいられない。
夫は中々帰ってこない。
昼間サトシの本性を知ってしまってから、この家でおこなった数々の行為が全ておぞましく思え、気分が悪くなる。
わたしは取り返す事の出来ない過ちを犯してしまった。
許されるはずがないと思いながら、ほんの少しでも償いたい。
勝手な言い分だが、今日家を出ることはやめにした。
夫はそれを認めてくれないかも知れない。
でもとにかく少しだけでも話をして、アヤの言う通り、頑張るしかないのだ。
もうアズサには何も残っていない。
でもサトシのクズさカゲンがアズサの目を覚ましてくれた。
わたしは生まれ変わって、どんなことをしてもサトルとやり直してみせる。
これからはサトル一人だけをずっと愛し続けると心に誓った。
つづく
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