そして社会人となり、清楚で優しく思いやりの深いアズサと出会った。
サトルは何もかもが理想とマッチしているアズサに惹きつけられた。
アズサもサトルに惹かれるものを感じたらしく、サトルのアプローチに快く応えてくれた。
二人は結婚した。
それが四年前、サトルが27、アズサが25のときだった。
アズサはふだんは口数が多い方ではなく、もの静かで、上品で貞淑な人妻そのものだった。
でも、男性経験が二人しかなく未開発だった躰もサトルとの性生活で絶頂を覚えると、ベッドの中では普段のアズサからは想像出来ないほど、乱れるようになった。
アズサからも進んで夜の行為を求めるようになった。
アズサはその見事な肉体に強い性欲を隠し持っていた。
アズサはみるみるうちに妖艶な魅力を感じさせるいい女になっていった。
アズサは女としての歓びを教えてくれた夫に益々尽くしてくれるようになった。
それがサトルにはうれしかった。
妻に愛されている実感があった。
アズサが愛おしくてならなかった。
そんなアズサがセックスの最中に他の男の名前を呼んだ。
しかも絶頂するときに、、、
サトルは激しい嫉妬、、、そして興奮を覚えていた。
こんなに自分を愛してくれているアズサが浮気をしているのか?
怒りよりも眠っていたはずの性癖が顔を覗かせ、胸が思いきりドキドキしていた。
サトシという名に聞き覚えがあった。
高校のときのアズサの同級生で女子生徒のあいだで凄く人気のあった男だとアズサ本人から聞いたことがあった。
アズサがバレンタインにチョコを渡したこともあったが、まるで相手にされなかったと言っていた。
少しヤキモチを焼いたのと自分に名前が似ていることもあって、その名を覚えていた。
黒岩サトシ、、、
確かそんな名前だった。
相手はヤツに違いない。
たしか三月ほど前にアズサの高校のクラス会があった。
アズサは一次会だけで早めに帰ってきたが、そのときに再会したのだろうか?
そのときに連絡先を交換して、二人で密会を重ねる関係になったのだろうか?
専業主婦で子供のいないアズサは、パートで週二回勤めに出る以外は、昼間いくらでも時間がある。
サトルは胸を締め付けられるような嫉妬を覚えながらも、アズサが他の男の名を呼んだことを追求しなかった。
アズサは激しい絶頂に満足したのか、ぐったりとしてセックスの余韻に浸っている。
自分が浮気相手の名を口走ってしまったことなど、まるっきり気付いていないようだ。
アズサはおそらく、間違いなく浮気をしている。
サトルは激しい興奮を抑えながら、これからのアズサを見守ることにした。
つづく
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