⑩…
あれから数日が経った日曜日の昼間に、日登美は、リビングでコーヒーを飲み病院での出来事を忘れたかのように寛いでいた。
そこに、ぐだぐだと昼間まで寝ていた長男が起きて来て日登美に注意され始める。
日登美「あんたさ…昨日も遅くまで飲み歩いて、本当に身体壊すよ…お母さんそうなっても知らないからね」
長男「仕方ないんだよ…親方に誘われたら断れないだろ…そう言えば今度また…章とも飲む約束してるんだよな」
長男の口から章の名前が出た時、日登美は、ドキッ…っとしてしまうのだった。
日登美(あ~…章君ねぇ~…折角…病院での事を忘れようとしてんのになぁ…そうだ早く口止めしておかないと…あの子…誰かに喋ってたら…殺す)
急に黙り込み、何かを考えている母親を長男は、不思議そうに見ている。
日登美(あの病院…絶対におかしい…最後なんて…わっ…私がしたうんちを先生が指で調べて…匂い嗅ぎまくってたし…結果…異常なしだなんて…)
お~い…と声を掛けても、日登美が反応せずに考え込んでいたので、呆れ顔の長男はそのまま部屋に戻っていった。
日登美(屈辱だわ…先生のところから出た時…待っていた…あのおっさんの顔…凄いニヤニヤしてた…あの人にも匂いを嗅がれてたと思うと…やっ…やだ…何で…こんなに…恥ずかしい事なのに私…あの時も…あの2人…気づいてないよね)
人前での排泄行為…その時…日登美に恥ずかしい気持ちとは別の感情が芽生え…あろうことか排泄しながら軽くイッてしまった事実…
日登美は、病院での出来事を思い出すとまた身体が疼き始めた事に気付き、純一との不貞行為から、自分が変態的になったと思い込んでしまう。
日登美(私…そんな女じゃなかった…純姉のせいだからね…)
ピン~ポ~ン…
急に玄関のチャイムがなり客人が来た事を知らせ、考え込んでいた日登美は我に返り対応するのだった。
日登美「何の用ですかぁ?私…あなたの顔も見たくないんですけど!」
訪れた客人に対して、顔を強張らせながら冷たい態度をとる日登美の前に、筋肉質な太い体型の中年男性が黙ったまま立っている。
日登美「はぁ~…佐藤さん…何の用ですかって聞いてるんだけど…」
日登美に溜め息をつかれ、睨まれながら用件を聞かれている佐藤と呼ばれた男は、強面の顔を汗だくにして、急に土下座を始め、日登美に謝るのだった。
佐藤「奥さん!この前は、本当にすみませんでした。なんと言ったらいいか…ほんの出来心で!申し訳ありません!」
扉の外で地面に額をつけて謝る佐藤の姿に、日登美は慌て、近所の目を気にしながら、佐藤の腕を持ち、起き上がるように促す。
日登美「佐藤さん…こんな所でやめてください…近所の人に見られたら…もぉ…私が悪者みたいになるでしょうぉ~」
佐藤は、起き上がると日登美の顔が近くにあり、それに見惚れてぼぉ~っとしてしまう。
佐藤(奥さん…今日も素敵だ…その何とも可愛らしい顔…あぁ…近い…奥さんの息を、俺が吸ってるかも…チュ…チュ~したい)
そんな事を考える佐藤は、その強烈な強面の顔と短髪で浅黒い肌から恐い人だと勘違いされやすく、しかし本来は凄く真面目な47歳の男であった。
ただ…日登美に対しては、暴走気味で卑猥な考えを持ち、つい先日も町内会の集まりで日登美のジーパンのぷりっとしたお尻を見て我慢できずに撫でてしまう。
それに怒った気の強い日登美は、当然といったように強烈な平手打ちを佐藤の頬にヒットさせたのだ。
日登美(何?その無言でジッとこっちを見てくるのやめてほしいんだけど…この人…例の件もあるけど…前から苦手なんだよなぁ…何か…臭くて恐いし…早く帰ってほしい)
日登美「あのぉ…佐藤さん…」
佐藤「あっ!おっ…奥さん…これ…つっ…つまらない物ですけど…お詫びに…どうぞ」
日登美「あれれ、そんな…貰ったら何か悪いし…もう怒ってないから…それじゃあ…ちょっと待っててください」
何かを思いついた日登美は、扉を開けたまま家の中に入り、靴を脱ごうとした時だった…
中腰になり、佐藤の方に向けられたタイト気味なベージュ色のズボンのお尻にパンティの線がくっきりと浮かぶ。
佐藤(あぁ!奥さんのパンティ…クロッチの線まではっきりと…はぁ…はぁ…どんなの履いてるのかな…ほっ…欲しい)
そこを凝視されている事に、気づくはずもない日登美は、台所にあった詰め合わせの貰い物を持ってきて佐藤に渡す。
日登美「これと交換って事で、もうお互い気にしないように…ん?」
佐藤は、日登美のパンティの線を見て激しく勃起した股間を隠す為に、変な体勢になりながら頭を下げていたのだった。
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