「もう、ママ寂しかった。」
息子の母親は、顔を見るなり抱きついて来た。
「あらあら、主人の竿じゃやっぱり駄目ね。」
「奥様止めて下さい。恥ずかしいわ。昨日は、御主人のお陰で寂しさを誤魔化せて頂き感謝しております。」
息子さんは、母が私の家に泊まったのを知っているから、朝直接ここに来たのである。それもあの親子を連れて。
「失礼しました。先にお礼も言わずに。この子の母でございます。昨日は大変お世話になりました。」
「こちらこそ、娘が連休だから先生と遊びたいと我儘を聞いて頂きありがとうございます。」
「わー可愛い、中学生だ。どうだった、先生の竿は?」
「バカ!中学生になんてことを。」
娘さんは母親に怒られた。
「お嬢さんは確か、S高校T大学卒でA社勤務ですよね。」
「お母様優秀な娘さんで羨ましい。」
「ほら、お母さん、私バカじゃないでしょ。」
「これがこの子の七不思議なのよね。」
「オバサマひどーい。どうせ私はバカですよ。」
全員大爆笑した。
私達は、出掛けた。午後から観光客が増えるから早めに出たのである。
「ここのお魚美味しい。」
私の知り合いの食堂はジモティー御用達の穴場なのだ、
「娘さん楽しいそうね。息子さんが世話になったんだから泊めてあげたらどうかしら。」
妻が言ったら、
「奥様、かしこまりました。流石気配りの天才。うっかりしてましたわ。」
「ママ、泊まるなら、このオバサマの家に皆んなで泊まりたいよ。」
「お嬢ちゃん、皆んなの考えていた事言っちゃたね。座布団10枚だ!」
全員大爆笑、とても楽しい昼食に妻は楽しそうだった。
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