アイは午前中に家事を一通り済ませ、身支度を整えていた。
普段はあまり着ない、よそ行きのお洒落な服装に身を包み、洗面所で化粧をする。
鏡の前の女は、歳で言うと四十を周り、人生の過渡期に入るであろうか、、、、特別美人では無いが決して悪くも無く、歳の割には比較的若く見られ、小ぶりのおっぱいを除けばスタイルも決して悪く無い。
アイはこぼれるようなため息をつきながら自分を見つめ、
「もう少し若ければ、、、」
そんな言葉が漏れた。
ふと、我に帰り化粧を整えていく、自分でもなんでそんな言葉を、、、アイにはわからない、、、
けれど、壁掛け時計の秒針音は、アイの不安と期待をあざ笑うかのように鳴り響き、約束のトキを刻んでいく、アイの胸は秒針音に合わせる様にドキドキと高鳴る。
アイは無意識に、彼に買ってもらったTバックの下着越しに、クリトリスを指でなぞり、口紅をあそこに押し当てあいぶする、、、アイは、
「あっ、、あああん、、、」
と淫靡な声を出し、快楽に溺れていく、アイは快楽で薄れゆく意識の中で、鏡に映るいやらしい女を見つめていた。
喫茶店のドア開け、前回の待ち合わせ場所に目をやると彼は座っていた。
彼は優雅にも、気取っている様にも取れる仕草で、
コーヒーを飲んでいる。
こちらに振り向き、アイと目が合うと、軽い会釈と同時に、席に座る様に手の平を見せる仕草で案内をする。
アイが席に座ると右手を挙げる。
その仕草で若い女性の店員が駆け寄り、「ご注文ですかぁ~?」と声をかけて来る。
彼は私にたずねることもなく、「僕と同じものを彼女に、、、」とだけ、アイの目を見ながら言う、、、、
店員は、アイは一度見てから、「かしこまりました。」と、言って立ち去った。
店員いなくなった後でも、彼は目をそらすことなく、
アイを見つめている、、、アイはまるで獣に睨まれたような、錯覚をおぼえ.おびえた様に顔を横にそらす。
しばしの沈黙が流れる。
彼は何も語らず、ただアイを見つめる。
アイは彼の視線を交わす様にやや赤みかかる顔で、
下を向き戸惑っている。
そんな沈黙を破る様に、「本日のコーヒーお持ちしました~」と空気を読まない声が響く。
店員が去っていくのを、横目で確認した彼が、
「ここに来る前に、オナニーをしましたね?」
と、尋ねて来た。
アイは、はっ、とした表情で彼を見て、みるみる顔が赤くなっていく、彼は、
「大変良い兆候です。素晴らしい」
とだけ言うと、
「でわ、本日より正式に貴方と契約を結びましょう」
アイはそう言われてオドオドした表情で、彼を見つめコクコクとうなずく。
彼は続け様に、「本当によろしいのですね?この後、契約に移行しますが?」と尋ねる。
アイは小さな声で、
「ハイ、、、」
と、だけ答えた。
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