俺は他の宿泊客から不審な視線を向けられても、扉を見続けていた。
部屋には5人の男が消えていった。
11時に1人、12時を過ぎた頃に1人が出てきた。
俺に気づく素振りすらなく、ただニヤニヤと笑いながらエレベーターに乗る。
俺は無意識に歩き始めていた。
そして、男達がしたのと同じように、部屋の扉をノックする。
数分後、目の前の扉が開いた。
開けたのは、あの中年男だった。
俺を見て少し驚いている。
俺は5時過ぎの事に気づかれたのかと思ったが そうではないようだ。
「・・・今日は5人じゃなかったっけ?」
そう言いながら、男は俺を部屋に入れた。
「参加は初めてか?」
俺は無言で頷いた。
男は、俺が緊張していると思ったのかニヤリと笑った。
「そう緊張するな・・・ま、確かに少し特殊だがな」
そう言って俺を短い廊下の先に歩かせる。
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