何か自分が綾乃にがっついていると思われるのが嫌だったからだ。
出張から戻ったのは土曜の夕方だった。
夕食を済ませると、何となく元気のなかった愛が、先に休みたいと言って寝室へと向かった。
大丈夫?具合でも悪いの?と尋ねると、ちょっと疲れただけ、夏バテかな?ごめんねと言って先に眠ってしまった。
翌日になると愛はいつもように元気を取り戻し、愛の希望で二人で散歩をかねて買い物に出かけた。
昨日がウソのように愛は明るかった。
新一に甘えるように腕を絡め、楽しそうに話しをしてきた。
昼過ぎに凌馬からメールがきた。
これから二人だけで内緒で会えないかというものだった。
新一は急な用事が出来たと愛に告げ家を出た。
待ち合わせの場所で凌馬は待っていた。
顔色が少し悪いような気がした。
席に着き、どうした?と尋ねると、いきなり頭を下げ、すまないと謝ってきた。
何か計画に不都合なことでも、あったのだろうか?
小さな声で申し訳なさそうに凌馬は言った。
「愛ちゃんと、、、してしまった、、、、金曜の夜、抱いてしまった、、、、、すまん、、新一、、、」
新一は頭の中が真っ白になっていた。
つづく
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