相変わらず、ものすごいセックスだった。
躰がバラバラにされると思えるほどの絶頂を味わった愛は、ベッドの上で酒巻の胸に頬を預けていた。
あんなに嫌だった濃い胸毛も、まったく気にならない。
愛は甘えるように指先で剛毛をなぞっている。
いつもならすぐに二回目を挑んで来るはずなのに、今日は違っていた。
優しく愛の背中をずっと撫でたまま、愛の顔をジッと見つめている。
「ねえ主任、、、どうしたの?」
早く二回目が欲しい愛の声が甘く蕩けていた。
「なあ愛、、、旦那と分かれて、俺と二人で暮らさないか?」
突然の言葉に愛の頭の中が一瞬、真っ白になる。
「ええっ、、、そんな、だって、、、主任にだって、、、奥さんと子供が、、、、」
「俺、、、愛さえいたら、他には何もいらない、、、」
、、、そんな、、、てっきり、わたしの躰だけが目的だと思い込んでいた。
そんなことを考えていたなんて、思ってもいなかった。
「本気、、、なの?、、、、」
「本気だよ、、、愛の全部が欲しいんだ、、、」
「そんな、、、どうしたの?」
「ひどい男だよな、、、けど、愛のことが本気で好きなんだ、、、この可愛い顔も、、、デカい胸も、くびれた腰も、、ムッチリした尻も、、、セックスだって、、、愛は最高の女だ、、俺だけのものにしたい、、、」
酒巻は顔を寄せ、愛の髪を撫でながら、熱い瞳で見つめている。
大嫌いなはずなのに、躰だけの関係だったはずなのに、、、
酒巻の熱い告白に、愛の胸のずっと奥でドキドキするものを感じていた。
どうして?、、、こんな男に、、、新一と別れて、こんな男と一緒になるなんて、、、
そんなこと断らないと、と思っているのに口から出た言葉は違っていた。
「そんなこと急に言われても、、、こまる、、、」
「そうだよな、、、俺なんかじゃ、、、ダメだよな、、、」
しょげ返る酒巻が、何故かとても可哀想に思えて、つらい気持ちになる。
「違う、、、ダメじゃないの、、、急にだったから、、時間が欲しいの、、、」
わたしったら、一体何を言っているの?
愛はドキドキが大きくなり、自分を抑えることが出来ない。
「本当か、考えてくれるのか?」
嬉しそうにしている酒巻が愛おしく感じてしまう自分がいた。
酒巻に何かをしてあげたい、そう思う。
「うん、考えてみる、、、、、それでね、、、わたし、、主任が欲しいって言ってた、、、始めてを、、あげてもいいかなって、、、」
酒巻は前からずっと、愛の初めてのものを欲しがっていた。
アナルバージンを、、、
愛は心の奥ではアナルセックスに興味を持っていた。
でも断り続けてきた。
愛はそれを捧げる気になっていた。
こんなに自分を求めてくれる酒巻に何かを捧げたかった。
「本当か?」
酒巻の目がギラつき、顔が淫らな歓びにゆがんでいた。
つづく
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