しばらくは、当たり障りのないやり取りを続けた。
お互いの年齢や好み、そして趣味などだ。
やり取りの合間に、さりげなく褒める言葉を挟んでくる類に、綾乃は更に好意を抱くようになっているように見える。
綾乃の反応に手応えを感じた新一は、話に刺激を加えていくことにした。
『最近、夫がかまってくれなくて。今日だって、わたしがムリにドライブに誘ったんですよ。それなのに夕方から仕事だって、出かけちゃって。今、一人で、、、すごく寂しい気分です。』
綾乃がえっという顔をした。
類に誘いをかけているのが綾乃にも分かったようだ。
綾乃は何も言わない。
類がどんな反応を示すか、興味がある表情をしているように感じていた。
『それは寂しいですよね。俺、綾乃さんが奥さんだったら、絶対にそんな思いはさせないのに。あっ、俺、偉そうなこと言って、すいません。』
『ううん、類君にそう言ってもらえると、すごく嬉しいよ。でも、類君が思ってくれるほど、わたし魅力のある女じゃないかも?夫にも色気が足りないって言われるし。』
送信すると食いつくように返事が来る。
類はここからが勝負どころだと思っているようで、綾乃のことをその外見から始まって、褒める言葉で埋め尽くされていた。
旦那さんは見る目が無い、綾乃さんはすごく色っぽいですとある。
『本当に?本当だったら、嬉しい。わたし、夫しか知らないから、類君にそう言ってもらえるのすごく嬉しいよ。』
そう返信する。
内容が踏み込んだものになってきているが、綾乃は文句を言わなかった。
綾乃自身、話の展開に興奮を覚えているようだ。
類も綾乃のような美人妻が、夫しか男の経験が無いと知り、興奮を抑えきれないようで、文面にも変化が現れた始めていた。
あまりに綾乃のスタイルがいいので、あの時はジッと見てしまってゴメンなさいと言ってきた。
『知ってたよ。わたしの胸、ジッと見てたよね?』
『ゴメンなさい。すごく形が奇麗だったから、つい、、、怒ってます?』
『ううん、怒って無いよ。恥ずかしかったけど、ちょっとだけ嬉しかったかな。わたし、こう見えて、けっこう胸あるんだよ。』
メールのやり取りのテンポをあげる。
綾乃は瞳を潤ませ、胸をドキドキさせて文面を見ているはずだ。
綾乃をもっと興奮させてやる。
そう思った。
つづく
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