「、、、だから、メールしてみようよ、、、、」
「、、、でも、、、きっと、わたしのことなんて、気にかけてなんていないよ、、、」
「こんなことないって、、、綾乃みたいな美人、忘れるわけないだろう、、、いけるって、、、」
「ええっ、、、でも、、、どうしたらいいの?」
「初めは俺がメールするから、見ててごらん、、、」
「ううん、、、やっぱり、、、ちょっと、、、、」
「大丈夫、ヘンなこと言ってきたら、ブロックすればいいんだから、、、任せて、、、」
「う、うん、、、」
新一はスマホを受け取る。
綾乃だって本心は満更ではないはずだ。
『突然、ゴメンなさい。今日、昼間に会ったんですけど、覚えてますか?』
そうメールしてみる。
なんとすぐに返事が来た。
『もちろん、覚えてます。すごい美人の綾乃さんですよね。忘れるわけないです。』
新一は綾乃が驚きながらも、嬉しそうな表情を浮かべているのを見逃さない。
新一はメールを続けた。
『お世辞、ありがとうございます。でも、類君はカッコよかったよ。』
綾乃はそんなこと思ってないと抗議したが、構わず送信する。
それにどうして綾乃の名前を知っているの?と尋ねると、しつこく聞いてくるから、仕方なく教えたと言い訳をしてきた。
本当かな?と言うと、本当だよと拗ねるよう答えてくる。
分かった信じるから、あとは任せてと言うと、綾乃は黙って頷いた。
綾乃だって本心は、ことの成り行きに興味があるのだ。
また類から返事が来る。
『お世辞なんかじゃないです。綾乃さんみたいな奇麗な女性はなかなかいないです。今日はいきなり声をかけてゴメンなさい。相手にされないと思ったけど、もう二度とこんなに奇麗な人に会えないかもって考えたら、、、その、本当にナンパみたいなことをしてゴメンなさい。でも勇気を出してよかったです。こうしてメールをもらえて、本当に嬉しいです。あっ、それと俺は綾乃さんと違って、全然カッコよくなんかありません。ただの学生です。でも綾乃さんにそう言ってもらえるのはすごく嬉しいです。』
悪い奴ではないような気がする。
こういうことに、ヘンに慣れているような気はしない。
でも勘繰れば、それが怪しい気もしてくる。
綾乃は食い入るように文面を見ていた。
その綾乃に対する言葉で、類に更に好意を抱いているように見える。
これから、たっぷりと類の本音を聞き出してやる。
綾乃もそれが知りたくて、心の中ではウズウズしているはずだ。
新一はメールのやりとりを続けた。
つづく
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