俺は綾乃のことで頭がいっぱいで、正直なところ妻に対する執着は薄らいでいた。
こいつに愛を抱かせれば、俺も綾乃を抱くことが出来る。
そんなふうに考えるようになっていた。
もちろん、そんなことはおくびにも出さない。
「ああ、しょうがないな、、、俺も綾乃ちゃんを抱いたんだし、、、、構わないぞ、、、」
「明日、午後から時間が取れそうなんだ、、、誘ってもいいか?」
「ああ、わかった、、、」
「俺、お前には悪いけど、、愛ちゃんを抱きたくて、、愛ちゃんからは何度も誘ってくるし、ガマンするのが大変だったぜ、、、」
奴は俺が綾乃を抱いたせいか、あからさまにそんなことを口にした。
愛のやつ、そんなに凌馬のことを誘っていたのか、、、
さすがにムッとした気持ちになる。
なあに、その分、綾乃を俺好みの女に変えてやるからなと頭の中で考えながら、明日の二人の密会を了承した。
家に帰るり食事を済ませると、何食わぬ顔で愛が尋ねてきた。
「ねえ、明日、昔の女友達と会うことになったんだけど、いいかな?」
「うん、わかった、、、」
「ごめんね、、、久しぶりだから、少し遅くなるかも、、、」
「いいよ、、たまにはゆっくりしておいで、、、」
気前の良い俺の返事に、愛の視線はおよいで、落ち着きが無くなっていた。
良心の呵責はあるようだ。
俺に嘘をついてまでして、凌馬に抱かれに行くくせに。
そんな愛に俺は意地悪をしたくなった。
俺が先にベッドに横になっていると、ナイトウェアに着替えた愛が隣に躰を横たえた。
最近は裸で迫ってくるようなことは無くなっていた。
俺は愛の胸に手を伸ばしていた。
久しぶりの感触だった。
相変わらず、ずっしりとした量感があった。
「あっ、イヤ、、ダメ、、、」
わずかだが、声に拒むような響きがあるのを聞き逃さなかった。
「そうか、、、嫌なのか、、、」
俺は手を引いた。
愛は何を考えているのか、しばらく黙っていたが、新一にしがみついてきた。
「イヤじゃないよ、、、久しぶりだから、びっくりしただけ、、、」
「ふーん、、てっきり、俺には抱かれたくないのかと思ったよ、、、」
「違うよ、、、」
慌てたように、そして誤魔化すかのように唇を重ねてきた。
俺はされるがままになっていた。
愛の舌先が口の中にしのんでくる。
綾乃のことで頭がいっぱいだったはずなのに、また怒りがこみ上げてくる。
あいつを何度も誘ったくせに。
明日、俺に嘘をついてまで、逢いに行くくせに。
俺は愛の舌を思い切り絡め取り、上になり愛を押さえ込んだ。
荒々しく愛の胸元をはだけると、姿を現した豊かな乳房に愛撫を加えた。
この俺の大好きな胸をあいつに見せつけ、たっぷりジャブらせるくせに。
新一は激しく勃起していた。
目ざとく気づいた愛が手を伸ばしてくる。
「ああん、凄い!、、、こんなになって、、、、ああ、嬉しい、、、、」
いつの間にか愛の声は甘く蕩けていた。
優しく新一の勃起を撫で続ける。
「、、、ねえ、新一、、、久しぶりだから、、いっぱいしたいよぉ、、、」
愛のほとばしるような色気に飲み込まれそうになったとき、綾乃の顔が頭に浮かんだ。
また逢いたい、早く逢いたい、涙をためて懇願していた綾乃の美しい顔が、、、
「やっぱり、よそう、、、」
新一は愛の手を離すと背中を向けた。
「えっ、、、」
あからさまな、いきなりの拒絶に愛は絶句した。
「今日は疲れた、、、今度にしよう、、、」
愛はしばらく動くことが出来なかった。
新一は何かを気づいているのだろうか?
近頃の新一の態度や言葉の端々にそれを感じることがある。
いいやそれなら、新一はわたしを問い質すはずだ。ずっとそう自分を納得させてきた。
でも、、、もしかして、、、
不安に心が震え、涙が溢れてくる。
愛は声を必死にこらえていた。
つづく
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