涼しいリビングに案内された新一は、手土産を渡した。
「ああ、これ、わたし大好きなの、、、ありがとう、、、」
素直に喜ぶ綾乃が眩しく見える。
綾乃が喜んでくれるなら、どんなことでもしてやりたい。
そんな気持ちになる。
綾乃は新一の好みを覚えていてくれたのか、目の前のグラスにはアイスティーがつがれていた。
綾乃が早速いただいちゃうねと言って、和菓子を口にする。
「うーん、美味しい、、わたし、これ大好き、、、」
あどけない仕草に、凌馬をうらやましく思う。
こんなに美しくて、可愛い女を妻にしている。
この日の綾乃は、上品な水色の半袖のブラウスに下半身のラインが薄らと見えるマリンブルーの長めのスカートという出で立ちだった。
ブラウスの胸元は、窮屈そうにもちあがり、胸のラインを美しく浮かび上がらせていた。
本当に手足がスラリと長く、日焼けをまったくしていない真っ白な肌が映え、良家の貞淑な人妻の雰囲気を醸しだしている。
そして艶やかに波打つ黒髪と上品に整った顔立ち、穏やかに微笑む、そのあまりの美しさに目を奪われてしまう。
オレの理想の女が目の前にいる。
いつの間にか熱のこもった視線で綾乃を見つめていた。
いつもは落ち着いた佇まいの綾乃が頬を染めてモジモジしていた。
上目遣いで新一を見ている。
「、、、新一さん、、、わたし、、、何か、ヘンかな?」
「いいや、、、どうして?」
「だって、、、、新一さん、、、黙って、、、見てるから、、、、、少し、恥ずかしい、、、」
「ああ、、、ゴメン、、、あんまり綾乃ちゃんが奇麗だから、、、」
綾乃はピクリと体を震わせた。
取り繕うように可愛い瞳で新一を睨みながら言った。
「もう、、、冗談ばっかり、、、お世辞を言ってもだめですよ、、、」
「お世辞でも冗談でも無いよ、、、綾乃ちゃんは本当に奇麗だよ、、、今までオレが見た女性の中で1番奇麗だ、、、きっとこれからも綾乃ちゃん以上に奇麗な女に逢うことは無いと思う、、、」
綾乃はキョトンとした表情を浮かべていた。
突然の告白に驚いているのだろう。
本当にこれじゃ高校生の恋の告白みたいだ。
話にもならない。
つづく
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