新一は綾乃へのアプローチを考えた。
どうやっても上手くいく気がまったくしない。
凌馬の言っていたことも信じられなかったし、あのとにかく美しくて、落ち着きのある綾乃にこっぴどく拒まれるイメージしか湧いてこない。
凌馬からは昨日、愛からの誘いの電話があったが、今は忙しくて時間が取れないと断ったと連絡があった。
そして、綾乃とのことを急かすように新一をたきつけた。
奴からは愛を抱きたくてしょうがない雰囲気が溢れていた。
あの奴の巨根を痛みも感じず、嬉々として受け入れてくれる。
しかもその女は素晴らしく形の良い豊満な胸を持っていて、セックスにも貪欲で、男の望むことを何でも叶えてくれる、そして何度も続けざまに絶頂するタフな女なのだ。
そんな愛をあれから一度も抱いていない。
性欲の強い愛はガマン出来なくなっているのだろう。
もちろん凌馬に逢いたい気持ちもあると思う。
それにガマンの限界で他の男に走ってしまう可能性だって無いわけじゃない。
そのときは絶対に許す気は無いが、それだけはなんとしても避けたい。
確かにもう時間の余裕は無い。
新一はあれこれ考えるのはよして、純粋に自分の気持ちをぶつけてみようと心を決めた。
かなり無謀な気はするが、心の奥でずっと惹かれ続けていた綾乃に、小細工はしたくなかった。
新一は明日、綾乃を訪ねると凌馬に連絡した。
凌馬からはわかった、強引にいけば大丈夫だと、訳の分からない励ましを受けた。
奴も複雑な気持ちなんだと思う。
でも新一は強引にする気などまったく無い。
できればお互いに求め合うかたちで、あの綾乃に挿入し、経験したことの無い絶頂を与えてやりたい。
女としての歓びをオレで感じて欲しい。
自信はなかったが、そんなことを考えながら奴の家へと足を向ける。
愛には内緒で有給を取ったので時間はたっぷりある。
途中、有名な和菓子店で買い物をし、手土産にする。
綾乃は見かけによらず甘党だ。
着いたのは11時過ぎだった。
緊張してチャイムをならした。
微笑を浮かべながら綾乃がドアを開けた。
「どうしたの?新一さん、、、」
「いや、近くまで来たから、綾乃ちゃんに会っていこうと思って、、、」
「そうなんだ、、、とにかく上がって、、、、あっ、時間はいいんですか?」
「うん、大丈夫だよ、、、」
中に迎え入れてくれて新一にひとまずホッとする。
それに何となく嬉しそうにしている綾乃に気分が楽になっていた。
つづく
※元投稿はこちら >>