いつものように2階の自分の部屋からぼんやりと外を眺めていた。
ベランダの下を人影が歩いているのを見つけた瞬間、自分が期待していたのだと気がついた。
上着を羽織りながら足音をたてないように階段を降りて玄関を出る。
少し時間がかかったので見失っていたが、おそらくまたあの公園だろうと思って歩き始めた。
静かな夜の住宅街の路地で心臓の音が煩かった。
無意識に歩くのが早くなり、顔が熱くなっていった。
鼻から抜けていく息が荒くなっていく。
路地を曲がると公園に入ろうとしている人影が見えた。
パーカーを着た見慣れた髪型の女が、誰かに見られても問題ないはずなのに周囲をキョロキョロと見ながら歩いている。
その顔が街灯の光に照らされた瞬間、全身がカッと熱くなった。
全身の毛が逆立つ。
女は悲しそうに眉をすぼめていた。
何かを後悔しているのか悔しそうに唇を噛んでいる。
なのにその顔を見た瞬間、私は女が興奮していると感じていた。
今にも泣き出しそうな顔をしている女に、自分が抑えられないほど興奮していると思ってしまった。
絶対にしてはいけないのにガマンできない。
後悔しているのに抑えられない。
いけないと分かっているのに止めることができない。
いろんな感情が一瞬で入り込んできた。
頭と体の中でグルグルと回り私の息を荒く、体を熱くしていった。
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