もうすぐ10才になる優香は、唯に似て日を追うごとに、父親の自分が見ても可愛らしく成長していた。
俺、きっと優香がいなかったら生きていけなかった、優香さえいればそれでいいと改めて思う。
唯はまだあの男と行動を起こしいない。
さすがに俺に言われたからといって、すぐにというのは気がひけるようだ。
一方、真奈との関係も続いていた。
真奈は何度か優香にも会いに来て、楽しそうに遊んで帰ることもあった。
本当に優香のことが好きなことがよくわかる。
でも真奈の人妻の躰は凪に与えられた、夫では考えもつかない快楽にどっぷりと浸かり、凪との関係をいつも心待ちにしていた。
真奈は凪に恋をしている気分になっているかも知れない。
夫と別れ、凪と優香と家族になる夢を見ているかも知れない。
でも凪は違う。
確かに真奈のことは好きだ。
美しい顔立ちで躰もセックスも素晴らしく、自分にはもったいないような女性だと思う。
でも恋はしていない。
あの時、詩織のときに恋はなくなってしまった。
唯に対してもそうだ。
凪の中で恋が燃えることはもう無い。
恋なんて年じゃないな、凪は思わず苦笑する。
「ねえ、凪、、、」
「どうした、、何かあったのかい?」
優香は近頃、急にマセたことを口にするようになっていた。
「凪は、唯と真奈、どっちが本命なの?」
「えっ、ええっ、、、急に何を言うのさ、、、」
余りの鋭い娘の質問に、凪は目を白黒させられる気分になる。
「わたしは二人とも好きだよ、、、優しいし、楽しいし、美人だし、、、、でもやっぱり、わたしは唯がいいかな、、、」
それはそうだろう、実の母親だ。
「でも、決めるのは凪だから、、、、それでいいよ、、、、でも二人ともオッパイが大きいから、凪、迷うでしょう?」
「そ、そんなこと無いって、、、優香は父のことをそんな風に思っているんだ?」
「うん、、凪はエッチだから、、、なんて、ウソだよ、、、、わたし、凪と一緒にいられるから、、それだけでいいよ、、、」
優しい娘に育ってくれている。
思わず優香を抱きしめたくなる。
「しおは今、どうしているのかな?」
突然、優香が尋ねてきた。
優香は昔から詩織のことをしおと呼んでいた。
凪の胸がズキリと痛んだ。
詩織は優香を実の娘のように可愛がっていた。
誕生日には必ずプレゼントを忘れなかった。
優香も詩織が大好きだった。
それが急に居なくなり、去年の誕生日プレゼントも、、、
全部、オレのせいだ、、、
「もう、会えないのかな?しおに会いたいな、、、、」
「どうかな、、、詩織さん、遠くに行ったから、、、」
もう会えないと思いながら、そう娘に答える。
オレはどうなんだろう?
詩織に会いたいのだろうか?
自分でも分からなかった。
次の日、詩織から電話がかかってきた。
つづく
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