凪には分かっていた。
真奈が凪のような安全そうな男とのアバンチュールを望んでいることを。
夫以外の男に、女として激しく求められることを何度も想像して、その熟した躰を熱くしていたはずだ。
唯のことが頭をよぎったが、まだ元サヤに戻ると決めたわけではない。
食事の後、二人は夜道を歩きながら話をした。
「首藤さんて、、再婚とか考えているんですか?、、、あっ、ごめんなさい、、、わたし、変なこと聞いて、、、」
「いいよ、、、まあ、オレなんか誰も相手にしてくれないよ、、、」
「そんなことないです、、、首藤さん、モテるんですよ、、、」
「まさか、、、そんな、、、」
「本当です、、、若い子も、、結婚している人でも、首藤さんと一度デートしてみたいって、言ってるんですよ、、、」
「ええっ、、、ふーん、、、それって、ちなみに誰かな?教えてよ、、、」
凪はおどけたように尋ねる。
「ダメです、、、首藤さんを取られたくないから、、、」
真奈は熱い瞳で凪を見つめていた。
「この前はゴメンなさい、、、わたし、すごく嬉しかったのに、時間がなくて、、、今夜は、大丈夫です、、、、ねえ、首藤さん、、、わたし、、まだ帰りたくない、、、、」
一昔前の誘い文句だと思いながらも、凪は嬉しかった。
この美しい人妻がオレを求めてくれている。「オレもだよ、、、小暮さんと二人きりになりたいと思ってた、、、」
真奈は嬉しそうに腕を組んできた。
きっと断られるはずはないと思いながらも、かなり緊張してようだ。
思い詰めたように俯きながら、口数が少なくなっていた。
やはり浮気は初めてなんだと確信した。
二人はラブホに入った。
つづく
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