久しぶりに詩織と二人きりであった。
「凪、大変だったね、、、わたし、何も出来なくてゴメンね、、、、」
「そんなことないよ、、、詩織さんにはいっぱい助けてもらった、、、」
「凪、わたし、拓人と別れることにした、、、」
「えっ、、そうか、、、、」
「わたし拓人が許せない、、、元はといえば拓人が、、」
「もういいんだ、、、その話はよそう、、、」
凪の胸に苦いものがこみ上げた。
「あっ、、ゴメン、凪、、、、、、凪、わたし、、優香ちゃんのそばにいてあげたいの、、、」
もう詩織さんに迷惑はかけられない、、、」
「迷惑なんかじゃないよ、、、わたし凪のそばにいたい、、、」
「、、、あの時、、詩織さん、男といたよね、、、」
詩織の顔色は血の気が引き、真っ青になっていた。
「、、、ゴメンなさい、、、」
「謝る必要はないよ、、、ひょっとして、あの時の人?」
街角で詩織と楽しそうに話していた男の顔が、頭に浮かんでいた。
詩織は黙って頷いた。
やっぱりそうか、、、
あの時も、オレに偶然会わなかったら、二人はセックスする積もりだったんだな。
バカな男だオレは、、、
ますます気分が落ち込んでいく。
「詩織さん、あの時、セックスしてたよね、、、」
「本当にゴメンなさい、、、でも違うの、、、好きなのは凪だけ、、、信じて、、、」
凪は悲しい目をして首を振った。
「オレ、詩織さんの言っていることが分からない、、、」
「お願い全部話すから、本当のことを話すから、、、お願い、、、」
きっと話を聞いたら凪に嫌われてしまう。
それは分かっていた。
でも自分の凪に対する気持ちは、本物だということだけは知って欲しかった。
つづく
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