たまらなく娘に会いたかった。
しかしもうこんな時間だ。
気づいたら詩織に電話をしていた。
なかなか繋がらなかった。しばらくして詩織が出た。
「、、凪?、、、どうしたの?、、、ゥッ、、、明日まで出張じゃ、、なかったの?、、、ァ、、、」
「詩織さんの声が聞きたくなって、、、、」
「、、、ゴメン、、、ァ、、、今、友達と会っているの、、、、ァッ、、、ァン、、、、だから、明日、電話するね、、、、、ァーン、、」
電話は切れていた。
詩織はセックスをしているようだった。
まるでマンガだなと思った。
妻と一番好きな女に同時に裏切られた。
自分が惨めだった。
余りのショックでめまいを覚える。
凪は公園のベンチに横たわった。
そしていつの間にか眠りに落ちていた。
目を醒ますともう昼前だった。
気付かなかったが、唯と詩織から何度も着信があった。
凪は疲れきっていた。
誰にも連絡する気になれない。
娘には会いたかったが、唯には会いたくない。
凪は昼間は公園で過ごし、夜はカプセルホテルに泊まった。
会社に連絡し、休みを取った。
娘以外の誰にも会いたく無かった。
数日がたった。
どうしても娘の顔が見たくて、自宅のそばまで来てしまった。
玄関先に娘がいるのが見えた。
唯と詩織も一緒だった。
つづく
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