そんなある夜、酔った夫が拓人に抱えられて帰ってきた。
二人で久しぶりに飲んでいるうちに、凪が珍しく泥酔して正体をなくしたため、拓人が送ってきてくれたのだ。
娘はとうに眠っている。
拓人は唯ちゃんごめんね、凪をこんなに酔わせちゃってと言いながら、家の中に運んでくれた。
ううん、拓人さん、こちらこそありがとうと言い、拓人を見つめていた。
こんなときでも、拓人に会えたことがうれしかった。
凪をリビングに運んだ後、唯は拓人を玄関まで見送った。
靴を履いた拓人は後ろを向いたまま言った。
「唯ちゃん、この前はゴメン、、、でもオレ、後悔はしていないから、、、」
そう言って行こうとする拓人の袖口を唯が掴んでいた。
「わたしこそ、ごめんなさい、、、、わたしは、、、ずっと後悔してた、、、」
拓人は振り向いた。
唯が濡れた瞳で見つめていた。
「、、、ずっと、、ずっと、拓人さんに会いたかった、、、」
拓人は唯を抱きしめた。
「オレも、、、オレ、やっぱり唯ちゃんが好きだ、、、」
「わたしも好き、拓人さんが好き!」
二人の唇が重なった。
長い口づけだった。
髪を優しく撫でながら拓人が耳元で囁いた。
「今度、唯ちゃんが欲しい、、、」
唯は黙って頷いていた。
つづく
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