唯は一ヶ月ほど前からスーパーのパートの仕事に就いていた。
娘も手がかからなくなり、家計のたしにと考えたからだ。
それに拓人との密会をするのに、何かと外出の口実になるという思いもあった。
その拓人も長期出張中でしばらく会っていなかった。
寂しい気持ちもあって、自分から求めて夫の凪に抱かれた。
凪が嫌いになったわけではない。
いや、今でも好きだ。
それもすごく好きだ。
夫とのセックスでそれがよくわかった。
正直に言って、前よりもずっとよかった。
別に前が悪かった訳ではないが、予想以上に感じていた。
ひょっとしたら、夫ではもう感じ無いんではないかという恐れは、吹き飛んでいた。
拓人と同じくらい感じてしまっていた。
不倫がスパイスのように唯を感じさせているのか?
それに凪自身が以前より、逞しくなっているようにも感じた。
それに凪の男根の太さも改めて確認して、その太さが与えてくれる快楽に体が熱くなっていた。
やっぱり凪が好き。
でも、、、拓人もすごく好き。
自分は欲張りな女なんだろうか?
そして、、、淫らな女なんだろうか?
そんなことを考えながら、仕事中に頬を染めていると、首藤さん、と後ろから声を掛けられた。
アルバイトの高校生の男の子だった。
小柴真一という男の子で、週に三度ほどのバイトらしいが、たまに唯とも顔を合わせる。
進学校の二年生で、成績は優秀だという噂だった。
背は普通だが、可愛い顔立ちで清潔感もあり、素直な性格だった。
唯は高校生時代の凪を思い出していた。
そんなこともあり、唯は真一に好感を抱いていた。
真一はパートのおばさん連中にも人気があった。
なかには、真一の童貞を奪ってみたいと言う人妻もいるらしい。
声を掛けられたとき、まわりに人影はなく二人きりだった。
「どうしたの小柴君?」
「あの、、、首藤さんに話があるんです、、、」
「何かあったの?相談事?」
「うーん、まあ、そうです、、、」
いつもハキハキしている真一にしてはオドオドしている。
顔を赤くしている姿に、まるで年の離れた弟のような可愛いさを感じてしまう。
「ああっ、ひょっとして彼女の事?」
「ち、違います、、、違いますよ、、、」
必死になって弁解する真一が、益々可愛く思え、相談に乗ってもいいよ、と答え帰りに待ち合わせをすることになった。
こんなところで長話をしていたら、どんな噂をたてられるか分かったものじゃないからだ。
つづく
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