夫しか男を知らない貞淑な人妻だからこそ、チャンスがあるということを拓人はよく知っていた。
夫しか男を知らない人妻は、心のどこかで夫以外の男に興味を持っているものだ。
他の男はどんな体をしているのか?
どんなセックスをするのだろうか?
夫とどんなふうに違うのだろうか?
そんなことをまるっきり想像しない女など、この世に存在しない。
唯だってそうだ。
拓人を見つめる表情は頬を火照らせ、隠しきれない色気がにじみ出していた。
ひょっとしたら、拓人の男性自身やセックスを想像しているのかもしれない。
しかも相手を自分に置き換えて。
知らず知らずのうちに、拓人に男を感じ、誘ってほしい、ほんの少しだけスリルを味わってみたいという気持ちが芽生えているようだった。
拓人は自分の欲望をかなえるために行動に移した。
思った通り、いや思った以上に簡単だった。
拓人のアプローチに唯ははにかみながらも、嬉しそうに応じてきた。
まるで妻であり、母であることを一時忘れたかのように、そして心の奥にある忘れていた女のときめきを楽しむように。
すんなりいかないのは想定済みだった。
女慣れしている拓人には分かっていた。
家庭を壊す気は無いと安心させれば、この女は体を開くと、、、、
そして、今、拓人の思っていた通りのことが実現しようとしていた。
この夫しか男を知らない無垢な人妻を、今からたっぷりと味わってやる。
そして何度も何度もイカせまくって、オレ好みの淫らな女に変えてやる。
どんな手を使っても構わない。
その体も、そして心もオレから離れられなくしてやる。
もう詩織に対する執着心は全く無くなっていた。
いつかは唯を自分だけのものにしてみせる。
今の拓人の頭のなかにあることはそれだけだった。
つづく
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