吉田社長は強運の持ち主だった。
私も、運はそれなりに自信はあった。
友達の結婚式の二次会では、テーマパークのペアチケットを当てたり、たまたま宝くじでは一万円を二枚当てたこともある。
それでも、吉田社長は全然負けない。
1時間の間サイコロを振ったところで結果は。
私はワインを4杯にチューハイを1杯。
梢さんは、ワインを2杯にチューハイを3杯。
それに対して吉田社長は、ワイン1杯にビール1杯。
正直、私はワインがきつかった。
高いワインらしいが、明らかにアルコール度数が高く5杯目を飲んだ時には足元が少しふらついたくらいだった。
梢「社長。もう大分酔っちゃってる。もう、ちょっと飲みたくないかも。」
梢さんはすっかりワンピースの裾がめくれて下着が丸見え状態だった。
私も最後のワインを飲み干して座る時には下着が見えてるかなんて気にしなくなっていた。
そこに吉田社長が提案する。
吉田「梢君も大分飲んだみたいだしな。よし。じゃあ、そろそろ本番を開始しようか。次はお酒は止めて脱衣ゲームにしよう。」
吉田社長はとうとう本格的に仕掛けてきた。
梢「えー?そう言ってどうせ私もYさんも裸にさせるつもりなんじゃないですか?」
吉田「私が最初に裸になったら、私の負けだ。今日はおとなしく引き上げよう。」
梢「本当にー?まぁチャンスがあるなら、やりますけど。」
吉田「その前にタバコでも吸いに行かせてもらおうかな。この家の中は禁煙なんだね?」
私「申し訳ありません。次男が喘息持ちなんで。」
吉田「いやいや、喫煙マナーは守らないといけないからね。」
吉田社長が外に出ると私はトイレに行くことにした。
梢「あ、ごめんなさい。私も、トイレ貸してもらっていい?」
私「あ、いいよ。こっち。」
二人してリビングを出る。
梢「どうせ最後までさせるに決まってるわよ。」
私「そうなんだ……。」
私は夫と共に覚悟は決めていた。
先にトイレに入っていた梢さんがトイレから出ると、私に耳打ちする。
梢「Yさん、今日危ない日、とかじゃないよね?」
私「え?大丈夫だよ。」
梢「そっか。良かった。あ、でも大丈夫だからね。私が社長の相手するから。」
私「そんな………。」
梢「実はさ。旦那にも言ってないんだけど、まりんの父親って………多分吉田社長なの。」
私「え!?」
梢「お願い。誰にも言わないでね!でも、血液型は旦那も吉田社長も同じだから分からないんだけど、28で結婚してから全然子供出来なかったのが、あの人と初めてした後にできちゃったの。もちろん旦那ともしてたから、旦那の子かもしれないんだけどさ。」
私「きっと、そうだよ。ご主人信じないと。」
梢「そう、思いたいんだけどね。初めてした後は、ピル飲まなかった、てかそんな余裕なくて。でも、妊娠が分かった時、旦那喜んでて。社長に中に出された話もその時はしてなくてさ。だから、まりんが私に似てて良かった、って思ってる。でも、Yさんの言う通り、まだ旦那の可能性もあるから、ね。」
私「そうだよ。信じないと。」
だから、さっきの子供の会話で梢さんは少し暗くなっていたのか、と私は理解し、トイレに入っていった。
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