業者に受注していたシステムの一部は自社で1から構築することが決まり、それからは残業の毎日だった。
時には泊まりこみで仕事をする日もあり、日曜日の休み以外、まともに子供達と会話をする時間すらなかった。
当然ながら、妻とセックスをする気力も時間も削って仕事をしていて、精神的に相当追い詰められている状況になった。
妻も私の体調を心配して、セックスに誘うことはしなかった。
私は風呂に入る際の日課となっている妻のショーツをチェックはしていたが、やはり、生理期間を除いて毎日のようにショーツには女の痕がついていた。
そして、どうしても溜まってしまう時はスパイカメラの映像を見ながら1人手早くオナニーをしたりして解消をしていた。
今や妻は私にとって、妻でありながらも、私だけのアダルトビデオの女優になっているかのようだった。
そんなこんなで1ヶ月が経過したある金曜日、私は作業の進捗状況の報告のために、夕方にI社を訪ねた。
ミーティングルームに高橋さんが入ってきて、私は現在の状況と今後の見通しについて説明が終わると、高橋さんは私に
高橋「本当にお疲れ様です。どうか体だけは壊さないようにして下さい。ところで、明日はKさんはお休みですか?」
私「えぇ。とりあえず、明日はお休みを頂く予定ですが。」
高橋「良かった。今日この後、社長と一席いかがですか?社長が今日Kさんが来ることを知って、ぜひ労いたいとおっしゃられてて。」
私「分かりました。その前に本社へ連絡をさせて下さい。」
高橋「分かりました。」
私はミーティングルームを出て課長に電話し、吉田社長と一席共にする旨の連絡を入れる。
早い話が接待だ。
課長から経費として計上する許可を貰い、妻にも夕飯はいらない旨のLINEを入れた。
私はミーティングルームに戻り
私「お待たせしました。本社でも今日の残りの仕事はないようなので、お付き合いさせていただきます。」
高橋「分かりました。では、会社の受付前でお待ち下さい。私は社長と一緒に降りますので。」
と言ってミーティングルームを後にした。
私はI社の受付で吉田社長と高橋さんを待っていると、20分くらいして二人がエレベーターに乗って降りてきた。
吉田「おお!Kさん!高橋から話は聞かされてるよ。いつもいつも大変みたいで、本当にご苦労様。今日はぜひともそんなKさんを労いたくてね。突然で申し訳ない。」
私「とんでもございません。吉田社長には大変なご迷惑をおかけしておりますので。」
吉田「ははは。そうかしこまらないでくれ。私は君みたいな何事にも全力で取り組む人が大好きなだけなんだから。」
私「私のような者にもったいない言葉です。」
吉田「聞けば、奥さんも三人の男の子の子育て頑張ってるそうじゃないか。夫婦揃って大したもんだ。」
私「ありがとうございます。妻に伝えておきます。」
そう言いながら、私は新橋駅に程近い個室型の居酒屋に入った。
三人分のビールと串焼きを注文して、乾杯をする。
吉田「いやー。本当にいつもいつもお疲れ様。」
私「ありがとうございます。」
高橋「Kさんのおかげで年末前には何とか新システムの導入にこぎつけられそうです。」
吉田「うんうん。一時はどうなるか分からなかったが、目処がついてよかったよ。」
私「必ず吉田社長にご満足いただけるシステムを構築して導入出来るよう全力を尽くします。」
そう言いながら三人で酒を呑みかわしながら、お互いにほろ酔いになったところで、吉田社長が私には判断のつかない発言をした。
吉田「しかしね。当初は11月末に導入出来たシステムだったけど、導入遅れで生じた損失を私はどうしようかと思っていてね。」
私「と、言いますと。」
吉田「いやいや、君は気にしないで大丈夫だよ。聞かなかったことにしてくれ。」
私にとっては決して忘れられない言葉を口にした吉田社長はそのまま笑いながらビールをまた飲み始めた。
そのまま居酒屋の会計を終わらせ、吉田社長は上機嫌で高橋さんの拾ったタクシーに乗り込んだ。
吉田社長はタクシーに乗り込む前に私に
吉田「いやいや、私が誘ったのに、ご馳走になって
悪いね。また今度ぜひ飲もうじゃないか。今度は間違いなく私がご馳走するから。何なら奥さんも一緒に誘ってね。」
と言ってタクシーに乗り込んでいった。
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