妻が主寝室に入ると、私はノートパソコンを出して金曜の夜に起きた出来事の確認をすることにした。
隠しフォルダの中から金曜日のファイルを開く。
私がリビングの扉を開いて、二階へ上がろうとしているシーンから始まった。
私が二階に上がると、吉田社長は早速口を開いた。
吉田「しかし、ご主人も大変だね。」
妻「何だかご迷惑をおかけしているみたいで。申し訳ありません。」
吉田「仮にも私は社長だからね。そこは冷徹にならなきゃいけないんだよ。ただ……」
妻「ただ?」
吉田「これは、私の一存でどうにでもなるんだよ。もちろん、今は請求するつもりでいる。たが……請求しないことだって出来る。請求しなかったからといって会社が潰れる訳ではないからね。私としては、ご主人が今手掛けている、新システムが導入出来ればいいんだよ。」
妻「では、そ……」
吉田「まぁ、待ちなさい。うちが請求しなかったとすれば、助かるのは誰かな?」
妻「もちろん、主人です。」
吉田「本当にそれだけだろうか?」
妻「え?」
吉田「ご主人の手掛けているプロジェクトは、かなり重要なプロジェクトだ。契約の際はそちらの社長さんも私のところに来たくらいだからね。つまり、それだけ多くの人員がさかれているんだよ。と、いうことはだ。」
妻「………。」
吉田「責任は君のご主人1人だけではない、上司や同僚でもプロジェクト内で責任を任されている者全員に波及すると考えていいだろう。」
妻「そんな………」
吉田「そりゃあ、そうだ。何百人という人員を投入して、結果が赤字では、会社というものはやっていけない。今ならまだ黒字を確保出来ても、うちが損害を請求すると、ひとたまりもないだろうね。」
妻「……………。」
吉田「だから、今私の思い一つで、ご主人だけではない他の誰かも責任を負うはめになる。しかしね、奥さん、君の対応次第では私も考えを変えることも出来るんだよ。もう、子供じゃないんだから、この意味は分かるね?」
妻「分かっております。だから、こうして、着替えてきたつもりです。」
吉田「ははは。結構、結構(笑)K君は話の分かる良い奥さんを貰ったようだ。それじゃ、私も遠慮なく君の身体を楽しませてもらおうかな。」
そう言うと、妻に向けられた吉田社長の目つきは途端にいやらしいものになったのであった。
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