リビングに入ると、妻はソファーに座り茫然とした表情になっていた。
私はすぐに妻の目の前に立て膝をついて、妻の顔を見ながら
私「すまない!大丈夫だったか!?」
妻は私の問いかけにハッとしたように気付きいつもの表情に戻り
妻「ん?大丈夫だよ。別に社長とエッチとかまでしてないし。」
私「いや、辛かったよな。本当にすまない。」
私は妻に土下座した。
妻「いや、大丈夫だから(笑)ちょっと下着とか見られたくらい平気だよ(笑)」
私「いや、でも……」
妻「だから、大丈夫だってば!土下座されると余計傷付くから!」
私が顔を上げると、妻は怒った顔をしていたが、頬には一筋の涙が流れていた。
妻は昔から私に対して本気で怒ると涙を流す。
だから、今も本気で怒っている。
妻「これくらいなら、私平気だよ。それよりも、自分1人で全部抱え込まないでよ。」
私「ごめん。」
妻「吉田社長とかまりんちゃんのママにある程度聞いたよ。吉田社長の会社とのことも。パパ1人だけで済む話じゃないのも分かった、会社全体に関わる話なんだよね?」
私「そう……なんだ。」
妻「なら、隠し事はなしにして。」
私「うん。」
妻「吉田社長言ってた。私次第だって。」
私「………………。」
妻「私次第って、本当なの?」
私「………そう……だと思う。」
妻「それで助けられるのは、パパやうちの家族だけじゃないんだよね?」
私「…………うん。同僚も責任取らされたら危ない。」
妻は私を睨みながら、一分くらいの時間が経過した。
やがて、妻の表情が怒りから、半ば諦めの表情に変わり、大きくため息をついた後に再び口を開く。
妻「分かった。分かったよ。ただ、条件が二つあります。」
私「条件……」
妻「まず、今の仕事を全力でやって、早く終わらせて。あの社長に私はいつまでも付き合ってられないから。それから……」
私「それから……」
妻「Kの口から直接私に言って。自分や家族のために吉田社長に抱かれてほしいって。」
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