(後日談)
わが家に、いつもの日常が戻り、半年が経過した8月上旬に高橋さんから手紙が届いた。
妻と共に手紙を開き、中を読む。
暑中お見舞申し上げます。
厳しい暑さが続きますがいかがお過ごしでしょうか。
あれから、私達家族は愛媛の妻の実家で、妻の両親と兄夫婦達が営む蜜柑農園を手伝いながら生活しております。
慣れない農家を手伝いながらも、東京で培ったビジネスの経験を活かして、少しでも力になれるよう努力の毎日です。
まりんも、そちらで生活していた時とは環境が変わり、4月からは新しい幼稚園に通い始め、休みの日は広い農園を走り回りながらと楽しそうにしています。
Kさん達ご夫妻に解放された私達は、今の新たな生活に感謝して、新たな道をゆっくりながらも歩き始めています。
いつかまた、許されるのなら、Kさん達の前に生まれ変わった私達を見せたいな、と妻も心から願っています。
まだしばらくは厳しい暑さが続きますが、Kさんのご家族皆様にありましては、体調にはくれぐれもお気をつけ下さいませ。
追伸
冬に私達が初めて収穫したミカンを送らせていただきますので、楽しみにしていて下さい。
手紙と共に、写真が一枚同封されていた。
蜜柑畑の前で、満面の笑顔をしている高橋さん達家族の写真だった。
少し梢さん太ったかな?
と思い写真の裏を見るとマジックで手書きされた文字が書いてある。
5月に待望の第二子妊娠が分かりました!
予定日は来年2月の予定です。
梢
と書かれていた。
妻「あ!梢さん良かったね!!」
私「そうだね。本当に良かった。」
妻は大事そうに写真を棚へとしまった。
妻Yの枕営業
~Fin~
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