12月28日
長男が昼を食べた後、近所の友達と遊びに出掛けたので、私は次男と三男を連れて、高橋家の見送りに行くことにした。
フェリーで引っ越しをするらしく、高橋さんは、I社で最後の挨拶をしてから、6時に東京の港で落ち合うということだった。
引っ越しお祝いを渡して、子供達が広いリビングで遊びはじめた。
引っ越しの荷物は午前中で全て出し終わっており、家の中はガランとしていた。
梢「業者が荷物の運び出し手際よくやってくれたので助かりました。」
私「そうですね。早いですよねぇ。」
梢「10年くらい住んでたから、本当、色々な思い出あるなぁ、って。でも、この前Kさんの言った一言で凄い救われました。まりんは、私達の子供だ、って。」
私「いや、どう見てもお父さんに似てますよ(笑)」
梢「そうですね。今まで、あの子の父親って、もしかしたら、なんて考えてた自分がバカみたい。」
私「そんなこと考えちゃダメですよ。」
梢「私も本当にネガティブになってたから。」
私「誰だって、ネガティブになりますよ。」
梢「本来なら、私達夫婦もYさんのことは裁かれるべきなんだと思います。」
私「そうかもしれません。私だって同罪ですから。」
梢「許してもらえるなんて思ってませんけど、いつか会ってもらえるなら、もう一度直接会って謝罪したいです。」
私「いつか、そういう日が来るといいですね。さて、私達はそろそろ帰りますね。お忙しいところ、お邪魔しました。」
梢「あ、とんでもないです。何もお構い出来ずにすみません。」
私「二郎、三郎、そろそろ行くぞー。」
子供達「はーい。」
私は子供達を車に乗せて、助手席の窓を開けた。
梢さんは、まりんちゃんを抱き上げて、見送る準備をしている。
私「それじゃあ、向こうでもお元気で!!」
梢「はい!ありがとうございます!Kさん達も、お元気で!」
子供達「バイバーイッ!!」
私は車を発進させて、ルームミラーで後ろを見ると、梢さんとまりんちゃんは二人揃って車に手を振っていた。
※元投稿はこちら >>